家族で行こう! きままにクルマ旅 (2016年7月 紙面掲載)
アウディ A4 アバントで 富士山をぐるりと一周

レジャー ドライブ

文・写真:吉田直志(automobile columnist)

いつもは新年号に合わせて富士山周辺を紹介しているが、今回は、夏の富士山を巡るドライブへと出掛けることにした。しかも、どこかに目的地を定めるのではなく、富士山を1周巡るルート。そんなドライブに連れ出したのは、今年4月にデビューしたばかりのアウディ「A4 アバント」。快適性とスポーティさをハイバランスさせた乗り味は、まさにロングドライブにぴったりだった。

ご存知の通り、富士山は見る場所によってその表情を大きく変える。南側からは、最も新しい噴火によって生まれた宝永山を伴っての風景を眺められるし、西側からは自然崩壊による大沢崩れを目にして、人の手では防ぎようのない自然のダイナミックさを感じるとれるし、北側からは富士五湖を鏡にして、湖面に映る富士山を見ることができる。ちなみに、富士山を1周するといっても、最も短いルートを辿ってもその距離は約100km。それだけでもかなり充実した内容となるが、今回は、富士山周辺にある道の駅を巡ることもテーマとした。

取材当日は残念ながら富士山を眺めることはできなかった。本来であれば、こんな富士山を拝めたはずなのだが…撮影は7月初旬

都心からは東名高速道路、中央自動車道、どちらからでもアクセスできるが、今回は中央道を利用し、河口湖ICから富士山を巡ることにした。ドライブに連れ出したアウディ A4 アバントは、乗り出した瞬間から快適性に優れていることを感じさせてくれた。路面をタイヤがしっかりと捉えているだけではなく、路面からの衝撃を確実にいなしており、そこには安心感がもたらす快適性がある。

高速道路に入り、アクセルを踏み込むとそれに加えてフラット感をもたらし、ここぞとばかりに安定感を披露する。2.0Lターボエンジンはパワフルさだけではなく、中回転域のトルクをしっかりと確保して扱いやすさを備えているし、さらに、丁寧なアクセルワークを心掛けていると燃費は15km/Lをオーバーするなど、もはやウィークポイントなしといった印象すらあった。

「道の駅 かつやま」は、河口湖畔にある道の駅。こぢんまりとしているが、湖畔にある小海公園、湖畔遊歩道などがあり、のんびりと過ごすことができる

最初に向かった「道の駅 かつやま」は、富士五湖の一つ河口湖の湖畔にあり、今回のんびりと過ごすことができるスポットだ。次の目的地である「道の駅 なるさわ」は、農産物販売所を目当てに多くの人が訪れるスポットで、イイモノは、早々に売れ切れてしまうので、早めに足を運ぶことをお勧めしたい。ここから先は、そのまま国道139号線をのんびりと走ってもいいが、ワインディングドライブを楽しめる県道71号線というルートがオススメだ。ただし、景色が望めないルートであり、同乗者からは「ツマラナイ」と一喝されてしまう可能性もあるので要注意。

農産物売り場が充実しており、初夏にはとうもろこしを求めて開店前から並ぶ人がいるほど。富士山から湧き出た水を汲むこともできる。「なるさわ富士山博物館」(入場料無料)も併設

今回は、もちろん県道を選んだが、タイトなコーナーが続く道で、アウディ A4 アバントはその真価を発揮。ロールをぴたりと抑え、挙動を落ち着かせたままにコーナーを駆け抜けていく様は、まさにスポーティさそのもので、スポーツサスペンションを採用していたかな、と、カタログを確認してしまったほどだ。

樹海を抜けるとまさに高原といった風景が広がる朝霧高原へと到着。「道の駅 朝霧高原」周辺には、牧場や公園もあり、ここでものんびりと過ごすことができる。ここから先の富士山南側にも二つのルートがある。ひとつは、走りを楽しめるルート(県道180号線~152号線など)、もうひとつは、富士山から少し離れ、また標高が低いため富士山の姿を眺めながら走れるルート(国道469号線)だ。

「道の駅 朝霧高原」にはレストランや物産コーナーのほか、地元の牛乳を使ったソフトクリーム販売店もあり。隣にあるあさぎりフードパークもオススメスポット/レストランで提供されていた、朝霧ヨーグルト豚を使った豚丼(680円)

四つの目の道の駅である「道の駅 すばしり」は、この中では最も新しい。また、富士山に一番近いということもあって、富士山をまさに間近に見ることができる。富士山の東側は、東富士五湖道路(有料)か国道138号線を利用することになるが、富士山を眺めたいならば東富士五湖道路を走るといい。

富士山にもっとも近い位置にある道の駅で、ダイナミックな富士山を眺めることができる。周辺の銘菓といった土産物から、オリジナル商品まで数多く取り揃えていること、足湯があることもポイント

トンネルを抜けたあたりから、自衛隊演習場に広がるススキ野原を手前に富士山を望むことができる。ただし、「道の駅 富士吉田」に立ち寄るならば、途中の山中湖ICでおりたほうがいい。この道の駅は、何度か紹介しているが、富士山レーダードーム館や富士吉田市立歴史民族博物館があり、まさに富士山について知識を深めることができるスポットでもある。

物産館やレストランのほか、富士山レーダードーム館、富士山アリーナ、富士吉田市立歴史民族博物館といった施設がある。また、富士山からの湧き水を手に入れることもできる

今回は悪天候のため、富士山を眺めることはできなかったが、さまざまに表情を変える富士山を眺めながらのドライブは格別だ。そうそう、いつもいうように、ドライブルートは、同乗者がいるならば、助手席が常に富士山に近い側となる反時計回りとすることをお忘れなく。

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ドライブデータ

試乗車=アウディ A4 アバント 2.0TFSIクワトロ
パワーユニット=ガソリンエンジン1984ccターボ、4WD、7速Sトロニックトランスミッション
乗車定員=5名
全行程走行距離約=380km

立ち寄りスポット[マップコード]

・道の駅 かつやま[59 028 165*62]
・なるさわ富士山博物館[689 518 046*70]
・道の駅 朝霧高原[312 296 248*88]
・道の駅 富士吉田[161 126 618*83]

※「マップコード」および「MAP CODE」は、株式会社デンソーの登録商標です。
※ナビの機種によっては、高分解能マップコードに対応していない場合があります。

プロフィール
吉田直志/automobile columnist
四輪駆動車専門誌、デジタルカルチャー誌の編集部を経て、フリーライターに。現在は新型モデルの評価を軸に、自動車雑誌のほか、ファッション誌にも寄稿。

(本稿は2016年7月に新聞「週刊Car&レジャー」に掲載)

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