【車屋四六】ワナカの隼戦闘機

コラム・特集 車屋四六

1998年、NZのワナカという街の、戦闘機博物館で、陸軍の隼を見つけた。海軍のゼロ戦は世界中にあるが、現存する隼は5機ほどと言われている。ゼロ戦が有名になったのは終戦後で、戦争中は隼だった。

映画で加藤隼戦闘隊…歌も流行った。開戦当初のゼロと隼は世界最強だった。隼の{栄}発動機は37500ccで930馬力・最高速度五三〇km。昭和18年、1150馬力になりプロペラが二枚から三枚になるから、ワナカのは初期型だ。

隼が、シンガポール、ジャワ、パレンバン、ビルマなどを転戦している頃は天下無敵だったが、ラバウルの頃には速度と火器で劣勢になり、レイテあたりからは、特攻機という運命が待ち受けていた。

隼の中島飛行機は、戦後解体されて富士重工業に。栄担当の中川良一は、戦後プリンス自動車を創業、合併後の日産で副社長に。航空発動機では、世界的権威だった。三枚ペラ後期型隼は、自動車評論家・中村考仁撮影。

自動車評論家の中村考仁氏が撮影した後期型の“隼”
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