トヨタモビリティ基金と沖縄警察本部、警察の事故データと車両データの融合による事故の未然防止に取り組む手法を開発

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トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation、以下「TMF」)は3月18日、沖縄県警察本部と連携し、警察の事故データと車両データの融合により事故の未然防止に取り組む手法を開発 し、同取り組みを含む産官学連携の活動を「沖縄ゆいまーるプロジェクト」と命名したお発表した。

TMFでは、昨年2月の沖縄県警察本部との連携協定締結以降、トヨタレンタリース沖縄、矢崎総業、JTB、トヨタ自動車、琉球大学、東京大学大学院工学系研究科と共に産官学で、警察の事故データ、車両データ(乗用車・商用車)およびレンタカーの車載アプリによる分析を実施しており、現在、それぞれのデータを持ち寄り、危険地点の特定、事故原因の究明、対策の立案、対策効果の検証等の諸施策を推進、事故の未然防止につながる手法の開発を進めている。また、車載アプリによるレンタカーの事故削減や観光の振興・渋滞緩和に向けた取り組みについても、引き続き効果が出ているとしている。

今回は、同活動を沖縄のことばで、一緒に(=「ゆい」)、取り組む・助け合う(=「まわる、まーる」)の理念を掲げて「沖縄ゆいまーるプロジェクト」と命名。

新たに東京海上日動火災保険が同連携協定に加わり、期間を2025年3月まで延長して、損害保険会社の持つデータも加えて産官学連携による分析を深め、交通事故の削減・渋滞の解消という社会課題の解決と楽しい観光体験の提供という付加価値を兼ね備えた “沖縄モデル” の確立に一層注力すると述べている。

【主な成果】

① インフラ対策への進展

警察事故データと車両データ(矢崎総業・トヨタ自動車)を連携した多角的な分析により、危険箇所の特定を行い、各行政機関と連携した道路対策に反映させる取り組みが進展。

  • ―交通事故との相関性の高い急ブレーキ情報を活用した道路対策を、宜野湾市、西原町および那覇港管理組合と連携して実施
  • ―通学路対策として、速度超過を伴い抜け道として利用されている箇所の対策を名護市と実施
  • ―事故データと車両データを組み合わせて、沖縄で事故の多い道路形状である左折フリーレーンのリスク要因を推定

② 専用タブレットによる運転行動の変化

専用タブレット(矢崎総業製)を搭載した車両は、実証期間を通して事故の削減効果が認められ、外国人で55%、日本人で38%事故件数が減少した他、車両データの解析においても、急加速、急ブレーキ共に改善がみられ事故件数の減少を裏付ける結果となった。

現在までに専用タブレット搭載車両を当初の20台から50台に拡充するとともに、今回新たにトヨタ自動車の開発による車載マルチメディアを活用した運転診断・注意喚起を行える車両も追加して、ドライバーの行動変容状況の確認を拡充する。

③魅力ある新たな訪問先を車載アプリで案内することで観光客の行動変容を促進

美ら海水族館に行く予定のレンタカー観光客に対して、車載ナビとは異なるルートにあるおすすめの立ち寄りスポットを案内(貸出時及び停車時)することで、新たな施設への訪問に結び付き、隠れた観光目的地の訴求及び渋滞緩和に寄与した。

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