2000年に誕生したスイフトが、五代目になったので、最上級ハイブリッドMZ・CVT・\216.7万円で走ってみた。
スイフトは、2016年に世界累計500万台達成という、グローバル人気車だ。日本にも根強いファンが居るが、印度では断トツ人気、欧州から世界各国で活躍している。
スイフトは走りの良さで定評があるが、ユーザー平均は40歳代半ばで、、五代目はそれを若い方に拡げようとしている。
四代目まではマニアックな操縦をしても、スポーツカーのようについてきたが、五代目は、俊敏な回頭性をそのままに、扱いやすく、カーブなどで大きくはみ出すこともなく、平均的ドライバなら、運転が上手くなったような気がするだろう。
試乗車の色仕様は、クールイエローメタリックとあるが、だれもがグリーンだという。淡いグリーンだが、こいつは若者、若い女性には受けそうだ。
が、年寄りが見れば萌黄色で、たしかに黄色。それは平安時代から日本人が好む色でもある。NHK大河ドラマ源氏物語の時代から、上流階級の間で好まれた色なのだ。
だから、若者に振ったというが、老若男女、全ての年齢層に受け入れられる色合いだと思う。
スイフトの初代はSUVじみていたが、二代目からのスポーティーな姿は、今でも継承されている。変える必要がないほど、完成した姿だからだろう。
全長は15㎜伸びて3860㎜で、全幅1695㎜。回転半径4.8米という小回り特性で、日本の裏通りや駐車場が楽な車だ。
直三DOHC・1.2ℓ・82馬力+マイルドハイブリッド用モーター3.1馬力で、三気筒らしい粘り腰のトルクと、電動アシストで加速は良好。中低速では俊敏と、良い結果を生み出している。
腕の良いドライバーが、ひと鞭加えると、歴代のスポーツカーらしきDNAが顔を出す。しぶとく踏ん張りながらのコーナリング、機敏に反応するステアリングが、それを助けてくれる。パドルシフトを併用すれば、レーシングカーの気分だ。
唯一、年寄りには不向きと思ったのが、乗り心地。良路面では、素晴らしいサスペンションだが、路面が荒れてくるにしたがい、凸凹に敏感に反応する…改善の余地ありだ。
ミリ波レーダーによる衝突軽減装置、クルーズコントロールなどの装備も揃っている。
エンジンを始動すると、9インチ大型ディスプレイに、360度、車周囲の状況が映し出されるが、子供の捲き込みなどの防止に役立つだろう。
インテリアの造り込み、質感など、このクラスとしては、一クラス上を感じられる。
気になる燃費は、WLTCモードで24.5km/ℓ…川越、岩槻と走り回った実走燃費は、オンボードコンピュータ表示で、21km/ℓ、俊敏さと経済性を兼ね備えた、五代目だった。
試乗後の感想は、スズキらしく、奇をてらわず、真面目に作り込まれたコンパクトカーということだった。