【車屋四六の good days and good cars】1946年カイザーフレイザー誕生

コラム・特集 車屋四六

 

まだ米国に沢山の老舗名門があったWWⅡ(第二次世界大戦)後の1946年、カイザーフレイザーが誕生。戦中、一万トン級貨物船を規格化で、一日一隻進水と量産で財を成したカイザーが、自動車製造を始めたのだ。

戦後再開の老舗の車は戦前型の甦りだから泥よけがあったが、カイザーは戦後派の新規設計だから、泥よけなしの姿が斬新で、少し安いカイザー、少し上等なフレイザーと二本建てだった。

 

 

財閥川崎家が進駐軍に屋敷を接収されてウチの前に越してきた。戦中軽井沢に隠したというビュイック38年型からフレイザーに替わった。知人の進駐軍軍属スチュアートおじさんは47年型カイザーだった…彼はマッカーサー司令官直属の会計監査で、少将待遇シビリアンだった。

 

川崎家のフレイザー

 

彼は1958年にVWカルマンギアを購入。カイザーを買いに来た若い兵隊「金ないから安くして」「いくら持ってる」ポケットから50ドル出し、喜んで帰ったと笑っていた…$50=1万8000円。VW新車ヤナセで$2500だった。

1940年代末、老舗の戦後型が出揃うと売れゆき不振。1953年ウイリス社を買収するも改善せず。57年自動車製造から撤退。70年会社をAMCに売却し消えていった。

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