【エコツアーに行こう!】埼玉県立自然の博物館(埼玉県秩父市)

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秩父で地球の歴史を学ぼう!

秩父といえば、春のシバザクラや冬の秩父夜祭などで訪れた人も多いだろう。夏は天然氷のかき氷に行列ができるし、秋は新そばの美味しい季節。季節を問わず、日帰りドライブの目的地として人気のエリアだ。

そして、ここは日本の地質学の発祥の地でもある。日本列島を作り上げたプレートの動きによって積み重ねられた古生代から新生代までの地層が秩父盆地の各所に点在し、明治時代から数多くの地質学者が訪れているのだ。観光スポットの一つである長瀞の岩畳も、地殻変動で地下20〜30kmまで押し込まれ、強い圧力によって変成された結晶片岩からできていることから、「地球の窓」と呼ばれている。

その岩畳の近くにあるのが、埼玉県内唯一の自然系総合博物館である埼玉県立自然の博物館だ。

館内に入れば、巨大なサメの模型が目に入るだろう。これは秩父一帯が「古秩父湾」と呼ばれる海だった時代に生息していたカルカロドン・メガロドン。アゴの復元模型の前では記念撮影もできる。展示室へ進めば、国の天然記念物に指定されている絶滅種パレオパラドキシアの化石、金属鉱山として栄えた秩父鉱山産出のさまざまな鉱物標本など、貴重な収蔵品が豊富だ。

 

もちろん、見るだけではない。さわれるはく製コーナー、体験コーナーなど、五感を使って学べる展示も充実している。

さらに一歩進んで、毎月行われているイベントに参加してみよう。恐竜が生きていた中生代の岩石を割って化石をさがしたり、館外で地層や化石の観察をしたり。大人も子供もいっしょになって楽しみながら学べる。

秩父は、2011年には、日本ジオパークの一つとしても認定されている。ジオパークというのは、地球科学的意義のある遺産を保全し、教育やツーリズムに活用しつつ持続可能な開発を進める地域認定プログラムだ。その目的は、地球資源の持続的な活用、気候変動や自然災害の影響を軽減するための意識や理解を深めること。また、地質遺産の重要性についての意識を高め、地域住民が自分たちの地域に誇りを持つことでもある。ただ景色を眺めるだけではわかりにくいこのテーマを理解するための拠点施設として、「自然の博物館」の存在は大きい。

 

生物展示ホールでは埼玉を代表する森林とそこに住む動物たちをジオラマで表現している

11月には、博物館を囲むように植えられた「カエデの森」も紅葉の盛りを迎える。ちょっと長居して夕食後に、夜のライトアップを楽しむのもいいだろう。

(上田 泰久)

【アクセス】関越自動車道花園ICよりR140で約50分

【問い合わせ】TL0494-66-0404 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1417-1

【HPアドレス】https://shizen.spec.ed.jp/

≪今後のおもなイベント≫

※予約制のイベントについては、往復ハガキまたはHPから申し込みを

◾️荒川に眠る“埼玉の海”を訪ねて

12月16日(土)9時30分〜12時30分 集合・解散:秩父鉄道武川駅
県指定天然記念物となっているカルカロドン・メガロドンの歯群化石の産地を訪れ、地層や化石の観察を行う。小学生以上対象(小学生は保護者同伴のこと)、定員30名、参加費300円。要予約、申し込みは11月1日〜28日。申し込み多数の場合抽選。

 

12月のイベント「荒川に眠る“埼玉の海” を訪ねて」では、カルカロドン・メガロドンの歯化石73本が見つかった荒川の河床を訪れる

◾️ミュージアムトーク

学芸員による展示の解説。各日13時30分〜(30分程度)、予約不要、参加費無料、定員なし。※時間は変更になることあり

11月12日(日)、12月24日(日)、2月11日(日)

テーマ:特別展「シェルワールドー貝からひも解く埼玉の自然ー」
貝化石が物語る埼玉の海

1月7日(日)

テーマ:常設展 地学展示ホール
多種多様な秩父鉱山の鉱物

 

10月28日から2024年2月25日までは、特別展「埼玉シェルワールド」を開催中
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