キャンピングカーで家族とともに北海道の大自然を満喫

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購入タイミングで悩んでいる方必見! ズバリ、キャンピングカーの「買い時」は?

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文・写真:岩田 一成(キャンピングカーライフ研究家)

キャンピングカーは欲しいと思った時が買い時

長年キャンピングカーライターとして仕事をしていると、イベントで出会った人などからキャンピングカーに関する質問を受けることがある。中でもよく聞くのが、「キャンピングカーが欲しいけど、購入の踏ん切りがつかない」「キャンピングカーはいつ買うのがベストなのか?」といった声だ。

そうした質問に対する筆者の答えは、非常にシンプル。「本当に欲しいなら、できるだけ早く購入するのが吉」「キャンピングカーは、欲しいと思った時が買い時」ということだ。

高額な買い物なのに無責任だと思う方もいるかもしれないが、これは30代から新車のキャンピングカーを3台乗り継ぎ、子ども2人を含む家族4人で15年以上キャンピングカーライフを楽しんできた経験があるからこそ言えること。なぜキャンピングカーを早く購入した方がいいのか、筆者の経験を基にその理由をお話する。

大自然の中キャンプを楽しむ岩田氏ファミリー

家族とともに15年以上キャンピングカーライフを満喫。だからこそ言えるキャンピングカー購入のタイミング

子どもの成長は親が思っているよりも早い

まず、子どもと一緒にキャンピングカーライフを楽しみたいと思っている人の場合。小さな子どもを連れてキャンプや気ままな旅を楽しみ、キャンピングカーの旅を通して子育てをしながら家族の絆を深める。そんなライフスタイルに憧れて、キャンピングカーの購入を検討している人も多いのではないだろうか。

子どものいるファミリーでキャンピングカー購入を検討しているなら、できるだけ子どもが小さいうちに決断するのがベターだ。子どもと遊べる時間は、親が思っているよりもずっと短い。迷っていたら、あっという間に子どもが大きくなり、「子どもと一緒にキャンピングカーライフを楽しむ」という夢は実現できなくなる。

家族で楽しむキャンピングカーライフのターニングポイントは、子どもが中学生になった時。幼児から小学生まではいつでも子どもと遊ぶことができるし、キャンプや旅行を楽しむ時間もたっぷりあるが、子どもが中学生になって部活動を始めたら、家族そろって遊びに出かける機会は激減する。

筆者の周辺でも、「子どもが中学生になって出かける機会が減り、キャンピングカーを手放した」「長年キャンピングカーの購入を迷っていたら、いつの間にか子どもが成長して結局購入を断念した」という話はよく聞く。子どもが生まれてから小学生までの期間は、子育て世代の親にとって人生のゴールデンタイムだ。お金は頑張れば何とかなるが、過ぎ去った時間だけは絶対に取り戻すことができない。子どもと一緒にキャンピングカーライフを楽しみたいなら、できるだけ早く購入を決断しよう。

キャンピングカーで雪中キャンプを楽しむファミリー

子どもの成長は思っているより早い。子どもと一緒にキャンピングカーライフを楽しむためには早めの決断が決め手となる

セカンドライフを楽しむユーザーの実話

仕事を定年して自由な時間が増え、セカンドライフを楽しむためにキャンピングカーを購入するユーザーは多い。仕事で多忙な現役世代にも、「定年したらキャンピングカーで日本1周したい」等と夢を膨らませている人はいるだろう。そんな人にも、できるだけ早い段階でキャンピングカーを購入することをお勧めしたい。

その理由として、筆者が実際に体験したエピソードをお話する。だいぶ前の話になるが、北海道キャンピングカー旅で家族と道北の格安キャンプ場を訪れた時のこと。そのキャンプ場は道外の年配者に人気があり、その時も2~3カ月の長期滞在をする年配のキャンピングカーユーザーや車中泊ユーザーが多かった。我が家は乳幼児連れだったため話しかけられることも多く、滞在中は人生の先輩たちと束の間の交流を楽しんだ。

その時、会話の中で年配のキャンピングカーユーザーに「あなたたちがうらやましい」と言われて驚いた。こちらは、仕事を定年して気ままにキャンピングカー暮らしを楽しむライフスタイルがうらやましいと思っていたので、意外な言葉の真意を聞いてみたところ、返ってきたのは「子どもが巣立って、仕事も定年して、ようやく自分たちの時間ができたと思ったら、今度は親の介護が始まってしまった」という言葉だった。

翌年からは介護で長期の旅ができなくなるし、介護が終わってもいつまで健康で旅を続けられるか不安……。その年配夫婦は、「もっと早くキャンピングカーを買えばよかった。子どもが小さい若いうちからキャンピングカーで旅を楽しんでいるあなたたちがうらやましい」と繰り返していた。人生は、何が起こるかわからない。若い子育て世代にとっても、セカンドライフを楽しむ年配世代にとっても、やはり「キャンピングカーは、欲しいと思った時が買い時」なのだ。

オートキャンプイベントの模様

セカンドライフを楽しむ年配世代も多く参加するキャンプイベント

納車期間も考慮して早めの決断を!

契約から納車までの期間が長いことも、できるだけ早めの購入をお勧めする理由のひとつだ。キャンピングカーは普通車と比べて納期が長く、半年~1年の納車待ちは当たり前。人気車種の場合は、納車まで2年以上かかることも珍しくない。契約から納車までのタイムラグも考慮して、ベストなタイミングでキャンピングカー購入を決意しよう。

キャンピングカーは普通車と比べて高額なので「お金がたまったら購入しよう」と考える人も多いかもしれないが、購入費用がたまって契約してからもさらに納車までの期間が長くかかるため、キャンピングカーライフをスタートできるのはだいぶ先のことになる。

できるだけ早くキャンピングカーを購入するには、ローンを活用するのもひとつの手。キャンピングカーは高額なので、120回以上の長期ローンを設定しているビルダーや販売店も多い。ローンを活用して早い段階で契約すれば、そのぶん早くキャンピングカーを手に入れることができる。あとは、キャンピングカーライフを楽しみながらローンを返済していけばOKだ。

筆者の周囲にも、「子どもが小さいうちにキャンピングカーが欲しい」と120回ローンでキャンピングカーを購入した友人がいる。キャンピングカーは普通車と比べてリセールバリューが高いので、「何かあったら売ればいい」という感覚でほぼ衝動買いだったという。ローンの返済はきついが、子どもが小さいベストなタイミングでキャンピングカーを手に入れたことで、お金では買えない大切な思い出をたくさん作ることができ、家族の絆もこれまで以上に深まった。その友人は、長期ローンでキャンピングカーを購入したことを後悔するどころか、「本当に早く買ってよかった」と笑顔で話していた。

繰り返しになるが、「キャンピングカーは、欲しいと思った時が買い時」。使い方やライフステージに合わせて、ベストなタイミングで購入を決断しよう。

キャンピングカーをバックに家族で記念撮影

キャンピングカーは、お金では買えない大切な家族との思い出をたくさん作ることができる


プロフィール

岩田 一成(キャンピングカーライフ研究家/ライター/HOT MIND代表)
1971年東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業・ 8年間の出版社勤務を経て2003年3月に独立。同年4月より、編集工房『HOT MIND』代表として編集業務の請負を開始。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に様々なジャンルの雑誌・ムック製作に携わる。取材・インタビュー経験は3000件以上。座右の銘は、『商人ではなく、常に最前線に立つ職人であれ!』。

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