オートキャンプシーズン到来を告げる、アジア最大級のキャンピングカー/トレーラーの展示・商談イベント、ジャパンキャンピングカーショー2023が2月3日から6日まで、千葉県・幕張メッセで開催された。今回は五つの展示ホールを使用する過去最大規模の開催で、300台以上の車両が展示された。昨今のキャンピングカー人気を反映してか、4日間の来場者は昨年の約2.2倍となる5万1231人という盛況だった。
例年、このショーが新型車初公開の場となる。今年の注目はフィアットの商用バン、デュカトをベースとしたモデル群だ。昨年のショーでFCAジャパン(当時)がデュカトの国内導入を発表、有力ビルダー5社が正規販売代理店となり、各社から“デュカトベース”のモデルが展示された。
デュカトベース車は、バンコンバージョンのキャンパーはもちろんのこと、工具やキャビネット類を搭載した“サービスカー”も提案され、多用途性をアピール。197㎝(ハイルーフは221㎝)の室内高により、成人男性でも腰をかがめることなく“立ち仕事”ができるのは魅力だ。
この他、運転席と助手席が180度回転することから、キャンピングカーでは前席をダイネットに使える等、室内レイアウトの自由度も増している。
また、このショーでは初の“アンベールセレモニー”で新型車が披露された。それがダイレクトカーズのBR75とBR75-Cで、BR75はピックアップトラックのトヨタ・ハイラックスをベースとしたキャブコンタイプのキャンパー。ダブルキャブから後方、荷台部分を取り去り居住スペースを取り付けた。トラックやバンベースのキャンパーにはない、4WDによる優れた悪路走破性により、行動半径が一気に広がりそうだ。
BR75-Cは、取り外した荷台部分に車輪を取り付けたカーゴトレーラーで、けん引免許不要のスペック。夏ごろの発売を予定している。
この他、室内の“電力事情”向上のため、バンテックがリチウムイオンバッテリーを使用した電装システム、トイファクトリーがリチウムイオンバッテリーの取り扱いを開始した。
バンテックの新電装システム「イリス」は、電力環境を安定させるつつ、稼働状況や設定が室内パネルにわかりやすく表示される他、専用アプリによりスマートフォンからも確認や設定ができる利便性も備える。
トイファクトリーは、オランダ製のリチウムイオン電池「スーパーB」を導入。航空貨物で輸送できる高い安全性(発火等がない)を備え、外形寸法がコンパクトであることも特徴の一つだ。