ジャパンキャンピングカーショーの車両展示風景

& Camping Car Life
キャンピングカー選びに役立つ、最新カテゴリー解説

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バスコン
(バス・コンバージョン)

バスをベースに、内装をキャンピングカー仕様にコンバージョン(改造・改変)したカテゴリー。ベース車両には、トヨタ・コースター、日産・シビリアン、日野・リエッセ、三菱・ローザなどのマイクロバスを使用するのがポピュラーで、架装はバンコンと同様に内装がメインとなる。

バスコンのメリットは、全長6~7mというゆとりのボディサイズがもたらす居住空間の広さ。長大な室内スペースに各種装備を無理なく配置でき、生活空間と就寝空間を独立させた2ルームレイアウトも可能となっている。

バスコンの室内

全長が6〜7mあるため、ホテルの一室を思わせる居住空間を車内に実現できる

ベース車両が貨物車ではなく、人を乗せて移動することを前提としたバスなので、走行性能や乗り心地に優れているのも魅力のひとつ。必要十分なパワーユニットと、リアパッセンジャーの乗り心地を考慮したサスペンションセッティングの恩恵で、ロングドライブも快適にこなせる。

ナッツRVのバスコン展示風景

バスコンは国内最高峰のキャンピングカーでもあり、製造メーカーも限られている(写真はナッツRVの「ボーダーバンクス」)

セミフルコン/フルコン
(セミフル/フル・コンバージョン)

マイクロバスの後部をカットして居住用キャビンを一体化したセミフルコンは、日本独自に設定されたカテゴリー。走行性能・乗り心地に優れたマイクロバスと居住性・断熱性に優れたキャンピングシェルのメリットを融合することで、あらゆる要素を高次元でバランスさせているのが最大のポイントだ。

直線的に立ち上がったシェル構造で、室内空間の広さはバスコン以上! 車両価格・ボディサイズ・装備の充実度・走行性能等を総合的に判断して、現時点における国産キャンピングカー最高峰のカテゴリーと言える。

ドイツ・ハイマーの最高級モデル

モーターホームとも言われるハイマーの最高峰モデル

一方、フレーム、駆動系、エンジンなどで構成される専用のベアシャーシをベースに、コックピット部分を含むキャビンのすべてを架装メーカーが製造したキャンピングカーがフルコンだ。もともとあったボディをベースに架装するのではなく、すべてがイチからの設計になるので、開発・製造が大がかりで車両価格も高額になる。

北米では「クラスA」と呼称されるキャンピングカー最高峰のカテゴリーだが、日本では専用ベアシャーシが供給されていないため、国産車ではフルコンのラインナップは存在せず、販売されているのは輸入車のみとなる。

輸入車の大型フルコン展示

フルコンは輸入モデルが主流となっている

キャンピングトレーラー

牽引用のシャシーに居住用のキャビンを架装したのが、キャンピングトレーラーだ。

エンジン・ミッションなどの動力装置や操舵装置がないため、室内スペースを効率よく使用できるのが最大のメリット。同クラスの自走式キャンピングカーと比べると、居住スペースはキャンピングトレーラーの方が確実に広い。総重量750kg以下のモデルなら普通免許でけん引できるのも、うれしいポイントだ。

小型のキャンピングトレーラー展示

けん引免許不要の小型キャンピングトレーラーも徐々に増えている

ヘッド車を切り離せば普段乗りにも使用でき、ヘッド車が古くなったら車両のみ買い替えることも可能。連結時の全長が長くなるため、移動を繰り返す観光メインの旅では機動性に不満を感じてしまう可能性もあるが、キャンプ場やRVパークを利用した滞在型の旅が多いユーザーにとっては、かなり魅力的な選択肢と言えるだろう。

米国製のキャンピングトレーラー展示

トレーラー文化が根付く欧米から輸入されたモデル

トラキャン
(トラックキャンパー)

トラキャンは、ピックアップトラックの荷台に居住用キャンピングシェルを積載したキャンピングカー。日本では少数派だが、ピックアップトラックが文化として根付いている北米を中心に、昔から根強い人気を誇るカテゴリーのひとつだ。

居住用キャンピングシェルは荷物扱いの脱着式になっており、キャビンを降ろしてピックアップトラック単体、キャビンを積んでキャンピングカーと、2ウェイで活用できるのが最大のメリット。走破性の高い本格4WDのピックアップトラックがベースということもあり、アウトドアレジャーで海や山を駆け回るアクティブ派ユーザーに好まれる傾向が強い。

トヨタ・ハイラックスにキャンパーシェルを積載したトラキャンの展示風景

トヨタ・ハイラックスにキャンパーシェルを積載したトラキャン


プロフィール

岩田 一成(キャンピングカーライフ研究家/ライター/HOT MIND代表)
1971年東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業・ 8年間の出版社勤務を経て2003年3月に独立。同年4月より、編集工房『HOT MIND』代表として編集業務の請負を開始。ライター・エディターとして、自動車専門誌を中心に様々なジャンルの雑誌・ムック製作に携わる。取材・インタビュー経験は3000件以上。座右の銘は、『商人ではなく、常に最前線に立つ職人であれ!』。

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