【第42回JAIA試乗会レポートその2】上質なコンパクトSUV BYD・ATTO3

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世界的なEV化の流れで、輸入車市場も大きな変化が表れつつある。昨年はヒョンデが日本再上陸を果たしたが、それに続いて日本での販売を開始したのが中国・深センに本社を置くBYDだ。ともにEVを主力として日本市場への定着を目指しており、今後が注目されるところである。

BYDの第1弾として登場したATTO3

さて、このBYDの第1弾モデルとして登場したのがCセグメントのSUV「ATTO3(アット3)」。グローバルで販売される世界戦略車である。ボディサイズは全長4455×全幅1875×全高1615mmで、全長で見るとカローラクロスとヤリスクロスの中間といったところ。乗車定員は5名でファミリーでも使いやすい実用SUVといえる。バッテリー容量は58.56kWhで航続距離は485km、最高出力204psのモーターを搭載。急速充電はチャデモ85kwにも対応している。

外観はオーソドックスなコンパクトSUVといった趣だが、室内はかなり個性的。インパネ周りにスポーツジムをモチーフにしたデザインを採用するなど、なかなかユニークだ。質感も十分でチープな印象はない。

インパネ周りはスポーツジムがモチーフ
ドアポケット部はギターがモチーフだという

また感心したのは12.8インチのセンターディスプレイ。ナビをはじめ各種の操作が行えるが、ボタン一つで縦にも横にも回転させることが出来るのは機能的だ。車両情報の表示などでは横で使い、ナビ表示の時は縦にして使うなど、好みに合わせた使い方が出来る。これならば、横長あるいは縦長の画面表示を無理に分割させたりする必要もない。

ディスプレイを横にした状態
ボタン1つで縦にして使うことが出来る

走行性能も、このクラスとしては十分満足できるところ。パワーの出方はやや控え目で、EVとしてはマイルドな設定となっているため、EVに乗り慣れていないユーザーでも扱いやすい。とはいえアクセル操作に対するリニアな加速感はやはりEVらしく、もたつきのない軽快な走りが心地よい。

乗り心地も満足できる。足回りも適度に締まり、コーナーでもごく自然な挙動を見せる。室内空間は広く、静粛性も高いので後席乗員も快適に過ごすことが出来るだろう。上質なコンパクトSUVとして、ソツなくまとめられている印象だ。初めてのEVとしてもオススメできる実力モデルである。(鞍智誉章)

シートの座り心地も満足できる
後席のスペースも広い
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