【第42回JAIA試乗会レポートその1】堂々とした心地よい走り マセラティ・レヴァンテGT

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輸入車の魅力を幅広く発信すべく、日本自動車輸入組合(JAIA)が実施している合同試乗会。今年もこの恒例の試乗会が開催され、多くの最新モデルが一堂に集められた。当編集部もこの機会に気になるモデルを試乗チェックしてみたので、数回に分けてレポートをお届けしよう。

 

マセラティ・レヴァンテGT

マセラティ初のSUVとして2016年に登場したのがレヴァンテだ。このレヴァンテには現在、3.8リッターV8ツインターボを搭載する「トロフェオ」、V6・3Lエンジンを搭載する「モデナ」も設定されているが、今回試乗したのはMY22モデルから新たに加わった「GT」グレード。4気筒2Lターボエンジン+48Vマイルドハイブリッドを搭載したモデルだ。マセラティは2030年には全車EV化を発表しているが、そこに向けて徐々に電動化を進めていくためのパワートレーンである。

搭載される2リッターターボ+48Vマイルドハイブリッド

最高出力330ps、最大トルク450Nm、最高速度245km/hのスペックは、トロフェオの580ps/730Nm、最高速度302km/h、0-100km/h加速4.1秒から見るとかなり控え目に感じられるが、それでも0-100km/h加速は6秒とパフォーマンスは十分。というよりもトロフェオの速さが異様すぎるといえるだろう。SUVにそこまでのハイパフォーマンスを求めるユーザーは、いかにマセラティといえどもそう多くはないはずだ。

GTのボディサイズは全長5005mm×全幅1981mm×全高1693mmと大きく、車両重量は約2.2tもある。スペック的には必要十分なパワートレーンだが、実際に走らせてみると、やはりその重さは感じるところ。特に発進時の加速感はやや鈍く、ワンテンポ遅れてトルクが出てくるような印象だ。

余裕のあるパワーで快適なドライブが楽しめる

直進時の安定性は抜群だが、レーンチェンジの際の動きも軽快というわけではなく、大柄なSUVらしいゆったりとした動きをみせる。といっても大型クロカンのような余計な動きはないので不安はないのだが、スポーツカーさながらにワインディングを機敏に駆け抜けるというタイプではなく、余裕のある大トルクを活かして淡々と長距離移動を快適に楽しむのに向いているタイプではある。

上質な室内空間で快適に過ごせる

 

室内のレイアウトはオーソドックな配置。ただし構成する素材は上質で、落ち着いた雰囲気だ。派手さはないものの、それだけに飽きがこないタイプ。シートの座り心地もよく、後席空間の広さも十分なので、これも長距離ドライブに最適だろう。速さはそこそこに、抜群の快適性と実用性も兼ね備えた上品なプレミアムSUVを求めるユーザーには最適なモデルといえそうだ。(鞍智誉章)

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