【エコツアーに行こう!】休暇村館山(千葉県館山市)

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冬を飛び越えて春の海辺へ

いよいよ本格的な寒波がやってきて、遠出のドライブはしにくい季節。でも、東京から2時間ほどの南房総では、道路沿いに菜の花が咲き、海辺の花畑ではストックなどの花が揺れている。このあたりでは12月から花摘みシーズンが始まっているのだ。

休暇村館山は、波の静かな館山湾に臨む宿。冬晴れの時期には東京湾・相模湾の向こうに富士山も望める。あまり温泉のイメージがない房総だが、平成になって温泉という魅力も加わっている。

ゆっくり出かけて宿で体を休め、海の幸を味わって、次の日には花狩りをして帰京、というのが黄金パターンだが、できるならここならでは体験イベントも楽しみたい。休暇村館山では、「ふれあいプログラム」として、気軽に参加できるプログラムが数多く用意されているからだ。

たとえば、休暇村がある見物海岸での散策。プログラム名としては「お散歩会」となっているけれど、ここでは大地の変動の証拠を間近に観察できる。かつてブラタモリでも紹介された場所で、海岸には江戸時代の元禄地震で4.5m、大正時代の関東大震災で隆起した1.5mの段丘が残っている。さらに奥の船越鉈切神社は縄文時代にできた海食洞だが、現在は標高25mの段丘上になっている。

休暇村近くの見物海岸にある、海底が隆起した段丘。上が元禄地震、下の段が関東大震災によって隆起した部分だ

また、初詣をかねて洲崎神社と洲崎エリアなどをはじめとする「お散歩会」に参加するのもいい。段差や階段があるコースは健脚対象となっているが、もっと気軽なものならビーチコーミングも開催中。このあたりは日本有数といってもいい貝拾いの名所で、特に冬から春は水温の低下によって死んだ南方系のタカラガイがピカピカな状態で拾える季節。また、北限に近いサンゴのかけらや、運が良ければ「布袋石」と呼ばれて昔から珍重されたイルカの耳の骨も拾えるかも。

天気に恵まれなければ、館内での工作体験も可能。セルフプログラムとして、エコバッグやエコボトル作りなどが用意されている。驚くのは、こういったふれあいプログラムの全てが、セルフプログラムの材料費を除き無料ということ。定員が決まっているものもあるので、宿泊と同時に予約をしておくのがいいだろう。

滞在型リゾートとあって、3~5泊の『房総の休日』滞在プランというのも用意されている。滞在中希望すれば、曜日ごとの日替わりお楽しみプログラムに参加可能だ。さすがに南房総といっても風が吹けば寒いけれど、ちょっと厚着して、海辺に行くなら長靴も用意して。初春の南房総をゆったり楽しもう。

(上田 泰久)

【問い合わせ・予約】☎0470-29-0211
【アクセス】富津館山道路・富浦ICより約20分
【ホームページ】https://www.qkamura.or.jp/tateyama/

主なふれあいプログラム

●見物海岸のお散歩会

スタッフの案内で見物海岸の海岸段丘と、海南刀切神社、船越鉈切神社という二つの「なたぎり」神社へ。毎週火曜開催、休暇村館山ロビー10時集合、所要約1時間。階段や段差があるので健脚の方対象。定員9名、最小催行人数2名、参加費無料、雨天時不催行

●八幡エリアのお散歩会

館山市街にある安房国総社、鶴谷八幡宮周辺でイヌマキの生垣が連なる街並みを散策。毎週水曜開催、休暇村館山ロビー10時集合、所要約1時間30分。段差などはほぼないが散歩がメインなので健脚対象。定員9名、最小催行人数2名、参加費無料、雨天時不催行

●洲崎エリアのお散歩会

石橋山の合戦で敗れた源頼朝が再起を図ったという伝承が残る洲崎神社と、東京湾の入り口に位置する洲崎灯台のある漁村を散策。毎週木曜開催、休暇村館山ロビー10時集合、所要約1時間30分。階段や段差があるので健脚の方対象。定員9名、最小催行人数2名、参加費無料、雨天時不催行

●野鳥の森のお散歩会

パワースポットとして知られる安房一宮、安房神社と、隣接する野鳥の森へ。展望台からの眺めは絶景。毎週金曜開催、休暇村館山ロビー10時集合、所要約1時間30分。階段や段差があるので健脚の方対象。定員9名、最小催行人数2名、参加費無料、雨天時不催行

●貝殻・漂着物探し★「ビーチコーミング」

スタッフと一緒に休暇村前の海岸へ。漂着物を拾うビーチコーミングで、タカラガイやイタヤガイといった貝殻のほか、シーグラスや昔の陶器片なども拾える。通年毎日開催、休暇村館山ロビー朝7時30分集合、所要約30分。参加費無料、雨天時不催行

※このほか、セルフプログラムとしてオリジナルエコバッグ作り、オリジナル風鈴作り、などもある。お散歩会は前日18時までに予約を。年末年始の繁忙期は不開催のこともあるので要確認

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