ジャガー・ランドローバーとWolfspeedが戦略的パートナーシップ締結、SiC半導体技術の供給を確保

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ジャガー・ランドローバーは10月31日(現地時間)、Wolfspeed, Inc.(以下「Wolfspeed」)と、次世代電気自動車向けにSiC(シリコンカーバイド)半導体を供給し、パワートレイン効率の向上と航続距離伸長を実現するための戦略的パートナーシップを締結したと発表した。

ジャガー・ランドローバーは、「REIMAGINE」戦略に基づき、2039年までに自社のサプライチェーン、製品、サービス、オペレーション全体におけるカーボン・ネット・ゼロ(温室効果ガス排出量ゼロ)を目指し、電動化を最優先とする事業への転換を推進。Wolfspeedの先進的なSiC技術は、特に車両のインバーターに使用され、バッテリーから電動モーターへの電力伝送を管理する。この先進技術を搭載した最初のモデルとして、2024年に「レンジローバー」を、2025年にフルバッテリー電気自動車(BEV)の新しいジャガーモデルの投入を予定している。

今回の戦略的パートナーシップは、ABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦し、これまで何度も優勝してきたジャガーTCSレーシングチームとWolfspeedの既存の協力関係に基づいており、Wolfspeedの先進的なSiC技術はレースコース上での効率とパフォーマンスを向上させるために既にマシンに採用されている。

2022年2月、ジャガー・ランドローバーは、NVIDIAと業務提携をし、2025年から開始する次世代車両向けのソフトウェア・デファインドによる、先進の自動運転システムに注力することを発表。同社は、今回の契約はそれに次ぐもので、将来のモダンラグジュアリーなモデルを実現するために、業界のリーダーと戦略的パートナーシップを構築するプログラムをさらに推進したと述べている。

今回の提携により、ジャガー・ランドローバーはWolfspeedの「Assurance of Supply ProgramTM(供給保証プログラム)」に参加し、将来の電気自動車の生産に必要な技術の供給を確保が可能となった。Wolfspeedの世界をリードする技術は、400Vから800Vまですべての電圧範囲において、電動推進システムの電力を供給。同SiCパワーデバイスソリューションは、2022年4月に世界最大の200mm SiC製造工場としてニューヨーク州マーシーに開設したWolfspeedのモホークバレー工場で製造を予定している。製造工場は完全に自動化されており、WolfspeedのSiC技術の生産能力を大幅に向上させ、EV生産をはじめとする先進技術分野で高まる世界的な需要に応えるとしている。

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