【エコツアーに行こう!】森のフィールド学舎(埼玉県飯能市)

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もっと深く自然を知り、楽しもう!

エコツアーは今や旅の一つの形として広がっていき、一般の宿泊施設でも取り組んでいることが多くなってきた。また、自治体自らエコツアーに力を入れているところもある。埼玉県飯能市もその一つだ。2004年に環境省のエコツーリズム推進モデル地区に指定されて以来、行政が主導してエコツーリズムの普及を推進している。

実際にエコツアーを開催しているのは数多くの地元の団体で、それぞれに個性あふれた活動を行っている。この「森のフィールド学舎(モリマナ)」もその一つだ。

結成されたのは2016年、スタッフは8人と少なめだが、それぞれが得意分野を生かして飯能だけでなく埼玉県各地でフィールドワークや調査研究を行うとともに、環境学習イベントなどを開催している。

秋の林の中で、食べ跡や足跡、フンなど生きものたちが暮らしていた証拠、「フィールドサイン」を探せ!

ちょっと驚くのは、スタッフそれぞれの活動のディープなこと。生き物好きでもめったに出会うことのない希少種や絶滅危惧種、嫌われがちな爬虫類やクモ、蛾、ゴキブリに至るまで興味を持って観察しているのがブログから伺える。マニアックというのではなく、それだけさまざまな自然の魅力を見つけているということだろう。

例えば植物観察にしても、種類を見分けるだけでなくそれがどうやって子孫を残しているのか、それぞれの種子散布作戦を考えたり、飯能では人気の高いムササビ観察にしても、食痕などのフィールドサインを見つけたり。

エコツアーが一般的に広がるにつれて、決まった人気イベントを見せてマニュアル的な解説で済ませてしまうツアーが多くなってきた中、ここならずっとより深い学びが得られることを期待させてくれる。

もしイベントに参加するなら、その時のテーマだけでなく、それぞれのスタッフの得意分野の話も聞いてみたい。「生きものを多角的に楽しみ、学ぶ」ことの楽しさを、遊び方をきっと教えてくれるだろう。

(上田 泰久)

【問い合わせ】森のフィールド学舎 morinomanabiya168@gmail.com
【アクセス】イベントによって異なる。飯能市へは圏央道・狭山日高ICより15分
【ホームページ】https://morinomanabiya168.wixsite.com/website

今後開催予定のイベント(※申し込みはHPから)

11月3日(木・祝):秋の天覧山で遊ぼう! 自然散策&里山オリエンテーリング

秋の天覧山。植物たちがどんな作戦で遠くに種を飛ばしているのか考えてみよう

時間:10時30分~15時 集合:飯能市中央公園公衆トイレ付近
秋の天覧山を舞台に、学生ガイドと一緒にオリエンテーリングをしながら里山環境や生きものについて学び、自然物を使ったクラフト体験も。
参加費:大人2000円、未就学児1000円、定員25名、昼食は各自持参、雨天中止

11月13日(日):秋の実りと種子散布 ─植物の生存戦略─

時間:13時30分~16時30分 集合:飯能市立博物館
秋の天覧山の森で植物の種を見つけ、フィールドワークや室内での活動を通してそれぞれの生存戦略を学んでみよう。
参加費:大人5000円、学生4000円、未就学児2000円、定員15名、昼食は各自持参

11月19日(土)、12月4日(日):ときがわ町のムササビを観察しよう

冬眠しないためほぼ一年中観察できるムササビ。飛んだ姿に歓声があがる

時間:各回日没前~20時30分
社寺の大木に暮らすムササビについて勉強と観察。夜に活動する哺乳類の観察を通して、夜でも生きものが生活していることを知る。
参加費:大人3000円、子ども(小学生以上)2000円、定員8名

11月26日(土):秋の森で発見! フィールドサインからのぞき見る野生動物のくらし

時間:12時30分~16時 集合:飯能市茜台自然広場
野生動物が数多く生息している赤根ヶ峠周辺で、普段出会うことが難しい夜行性動物の足跡や食べ痕、巣穴などの痕跡を探り、野生動物に迫る。ケモノ道を散策し、実際に足型を石膏どりするなど本格的なフィールドワークも。
参加費:大人5000円、学生4000円、未就学児2500円(未就学児は保護者2名以上同伴)、定員10名

昔は「むじな」とも呼ばれたアナグマ。視力が悪いせいか昼間にも間近に出会うことがある

12月17日(土):夜空を大滑空! ムササビを盛りだくさんに楽しむナイトツアー

時間:16時~18時30分 集合:飯能市中央公園公衆トイレ付近
身近な哺乳類の一つ、ムササビの生態観察と、それを取り巻く自然環境、文化・伝承までを楽しむツアー。
参加費:大人6000円、学生5000円、未就学児3000円、定員15名

葉っぱがリングになったムササビの食痕。葉を二つ折りにして食べるためこんな形になる
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