【遠藤徹の業界ココに注目】電気自動車ニーズは確実に拡大

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電気自動車の受注段階での売れ行きは確実に高まっている。2023年2月までの国の22年度補助金は使い切りつつあるという。それでも、扱い店はまだニーズが加速状態を保持している。国だけでなく地方自治体でも補助金を設定しており、合計だと100万円以上にもなるケースもあるほど。

電気自動車はランニングコストも意外に安い。燃料費(電気料金―電費)の他、車検料金も安い。部品点数が化石燃料車より少なく、チェック項目が減らせるからである。したがって最初の購入代金は高いが、長く愛用していれば確実に元が取れるというメリットがある。

ただデメリットも当然ある。購入代金の高さの他、充電設備の必要性や航続距離の短さ、充電の面倒さなどである。デメリットを十分にカバーできる環境にあるユーザーは、電気自動車を所有することを大いに勧めたいところである。

だからといって、従来の内燃機関をやめ全面的に電気自動車のみにするのは問題がある。これまで積み上げて来たクルマづくりのノウハウを捨てるべきではない。プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車も大いに普及させ、それぞれメリットを追求すべきである。

ヨーロッパでは2035年あたりまでに、ハイブリッド車も全面的に廃止する法案を成立させている国もある。電気自動車への一本化は問題が多すぎる。自動車メーカーだけでなく、傘下の部品メーカーの衰退にもつながる。

目的は地球温暖化、カーボンニュートラルの実現であるから、トータル的な電動化で対応すべきである。補助金が普及をバックアップしているが、予算措置にも限界があるので、ストップすればあまり伸ばせなくなる側面もあるに違いない。

(遠藤 徹)

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