MINI、初のクロスオーバーEV「コンセプト・エースマン」を発表

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MINIは7月27日(独現地時間)、未来のモデル世代の新しいデザインに関する最初の予告として、MINI Concept Aceman(コンセプト・エースマン)を発表した。なお同コンセプトカーは、ケルンで開催されるコンピュータとビデオ・ゲームの見本市「ゲームズコム」2022で初めて一般公開する。開発者、出版社、エキスパート、ゲームとeスポーツのファンが集うこの国際的なイベントは、2022年8月23日にライブストリームで開幕し、その後、ケルンの展示会場で2022年8月28日まで開催される。

同コンセプトカーは、ハッチバック・タイプのMINIとMINI Crossoverの2つのモデルの特徴を融合させることで、現代的な解釈の施されたクロスオーバー・タイプ。ショート・オーバーハングの機能的な2ボックス・デザインにより、最小限の面積で乗員と荷物のために最大限のスペースを確保しているほか、4つのドアと大きなトランク・リッドにより5人の乗車が可能。

 

 

また、これまでのモデルで一般的だったエッジまわりのクローム・トリムを完全に排したほか、ボディ下端のワイドなサラウンド、力強いシルエットのホイール・アーチ、大径ホイール、印象的なルーフ・ラック、アンダーライド・プロテクションとしてデザインされたフロントとリヤのバランス・パネルなどを装備することで、市街地走行に適したクロスオーバー・タイプとしての堅実でオールラウンドな特徴が強調されている。

車両フロントでは、クロスオーバー・タイプの特徴と電気駆動システムを反映。フロント中央のラジエター・グリル・エレメントは、周囲が明るい表面で囲まれ、従来の六角形の輪郭は八角形となり、イルミネーテッド・サラウンドをアクセントとして採用。ライト・グリーンの色調のLEDコンター・ライトは、デイ・ランニング・ライトでもナイト・デザインでも、ユニークで印象的な光をつくり出すという。

中央のグリル・エレメントは完全に閉じられており、上部にはマトリクスLEDユニットが組み込まれ、印象的な照明効果を発揮。ヘッドライトも、従来の丸型から独自の輪郭を持たせ、ボンネット外側の表面までライトの輪郭が続いている。

ボンネットにヒントを得て、ホイール・アーチも、幾何学的に造形されたフラットな表面となっている。ここでも、新しいMINIのデザイン・スタイルの明快さが示されているほか、精密なエッジにより、ボディの引き締まった表面が形成されている。この「エッジの効いた」デザインは、きっぱりとしたプロポーションおよび直立したフロントと相まって、クロスオーバー・タイプ特有の堅牢性と多用途性の先進的な解釈となっている。

また、ユニオン・ジャックのデザインを、ブランドの英国のルーツを示すものとして、テール・ライトのグラフィックや頑丈なルーフ・ラックで採用。特徴的な縦長のテール・ライトは、明快な水平の表面と魅力的なコントラストをなしている。テール・ライトにも、フロントのラジエター・グリル・エレメントやヘッドライトの内側と同様、マトリクスLEDユニットが採用されており、状況に応じて異なる照明シナリオが可能となっている。

インテリアでは、抑制された見た目を重視しながら、上質な素材と親しみやすいカラーを組み合わせたほか、デジタル化によって、最小限の操作コンセプトに親しむように設計。ドア・パネルやダッシュボードの付近は、広く開かれ、ゆるやかにカーブした表面でできており、ゆとりのある空間としたほか、大きなパノラマ・ガラス・ルーフを採用し、光あふれる雰囲気がつくられている。ルーフのガラス面は、ルーフ・ラックの横と斜めの支柱によってパターンが組まれ、ユニオン・ジャックの旗のモチーフを思わせる構造となっている。

ダッシュボードは、運転席と助手席の前でインテリアの幅いっぱいに広がるサウンド・バーのようなスタイルの、フラットなデザイン・エレメントを採用。表面に柔らかなニット織物を用いることで、インテリアには現代的で家庭的な雰囲気を演出し、ダッシュボードにおいては、ルーフ・ラックと同様のユニオン・ジャック柄のサポート・フレームで連結され、エクステリアとインテリアのデザインの調和が図られている。

ダッシュボードは、特に中央では車内に張り出しており、インストルメント・クラスターと車載モニターの全機能を1つの丸型有機ELディスプレイに集約。大型スクリーンの下には、伝統を踏まえてトグル・スイッチ・バーが備わり、最先端のデジタル化を用いたタッチ・コントロールと、物理的スイッチを用いたアナログ機能で組み合わされている。

新設計のトグル・スイッチは、パーキング・ブレーキの操作、ギアの選択、ドライブの作動と停止、エクスペリエンス・モードの選択、オーディオ・システムの音量調整を行うことが可能で、それぞれのトグルでは、ロータリー・ノブまたはトグル・スイッチとして個別に設計されており、きわめて直感的に操作可能となっている。

MINI独特のディスプレイでは、セントラル・インターフェースの全面を占める丸型の有機ELディスプレイを装備。量産仕様車に搭載されるディスプレイと制御システムのベースとなるのは、最新世代のMINIオペレーティング・システムで、これは初めてAndroidオープン・ソース・プロジェクト(AOSP)ソフトウェア・スタックに構築される。これにより、かつてないほど充実したデジタル機能が車内で可能となっている。

セントラル・インターフェースを超えて広がる表示領域も、見どころのひとつとなっており、動画投影により、制御システムのコンテンツをダッシュボード全体に転送し、ドア・パネルにまで及ぶユニークなデジタル体験が得られる。輪郭のはっきりした地図から、雲の散乱したイメージまで、投影によって無限の表現が可能で、投影のカラー・スキームと照明の雰囲気に伴って、適切なサウンド・シーケンスが奏でられる。

さらに、3つの新しいエクスペリエンス・モードを採用。エクスペリエンス・モードは、セントラル・インターフェース・パネルと車内投影を通じた特定の表示と色の世界、およびこれと調和したサウンド・ステージを組み合わせたもので、「パーソナル・モード」「ポップアップ・モード」「ビビッド・モード」の3つを設定している。

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