【河村康彦 試乗チェック】メルセデス・ベンツ・C220d 4マティック オールテレイン ステーションワゴンとSUVのクロスオーバー

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Cクラスのステーションワゴンボディでは唯一の4WD

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そもそもラインナップ内に存在していたステーションワゴン・モデルをベースに、前後のバンパーやフロントグリル、ホイールアーチ部分などに昨今流行りのSUV流儀のデザインを施し、サスペンションのチューニングや大径タイヤの採用で地上高を上げ、場合によっては4WDシステムを採用することによって、さらに悪路の踏破性を高める…遡れば、まだ”クランドワゴン”を名乗っていた1990年代のスバル・レガシィの1モデルに端を発すると言っても良さそうな、まさにそうした数々の手法を用いて完成されたと受け取れるのが、ここに紹介するCクラスの最新バリエーション。

メルセデス・ベンツのネーミングルールに詳しい人が『C220d 4マティック オールテレイン』というその正式名称を耳にすれば、それが「2リッター4気筒のターボ付きディーゼル・エンジンを搭載したCクラスの、4WDシステムを備えたステーションワゴンとSUVのクロスオーバー・モデル」であるという概要をキャッチアップできるはず。2021年9月に本国で発表され、日本では2022年初頭から発売されている。

ステーションワゴンにはない逞しさが加味された

ベースのステーションワゴン比で全高が40㎜ほど高められたその佇まいは、前述したようなSUV流儀の化粧が施されていることで確かにより逞しく見えるもの。一方で、ドライバーズシートからの眺めには特に強い見下ろし感などは加味されておらず、やはり本格的なSUVとは一線を画した存在であることを印象づけられる。

走り始めてみると動力性能を筆頭に、走りの軽快感全般はベースのC220dステーションワゴンよりもやや落ちる印象が否めず。前輪の駆動系が加わったことによる重量増や、大径のシューズを装着したことによるばね下重量の増加などがその一因と考えられる一方、現在のところ日本に導入されるCクラスのステーションワゴンは後2輪駆動に限られるので、ステーションワゴンのボディと4WDの組み合わせが欲しいと望んでいた人にとっては、このモデルはまさに待望の1台ということになるだろう。

ステーションワゴンには設定のない4マティック=4WD

逆に、広大なラゲッジスペースは不可欠だけれど、4WDや大きな地上高の必要性などは特に感じないという人にとっては、小さくない価格差やすっきりした乗り味などから、これまで通りのステーションワゴンがオススメということになりそう。

いずれにしても、これまでとは異なった選択肢が増えたことは朗報に違いない新バリエーションの追加と言えそうだ。

(河村 康彦)

(車両本体価格:796万円)

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