日産と東京大学が福島県浜通り地域のまちづくりを支援、「浜通り地域デザインセンターなみえ」を設立

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日産と国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(以下「東京大学」)の2者は5月27日、28日(土)にJR浪江駅前に「浜通り地域デザインセンターなみえ」を設立すると発表した。今後は同デザインセンターでの研究・活動を通して、“福島県浜通り地域における持続可能な住み続けたいまちづくり”を支援するとしている。

 

 

【「浜通り地域デザインセンターなみえ」概要】

<設立目的と活動方針>

  • 産官学の連携による「浜通り地域デザインセンターなみえ」を設立することで、福島沿岸地域に根差したカーボンニュートラルな復興と新たなモビリティシステムの実践研究を後押しする。本デザインセンターを中心とした活動を通して、人材の育成を図る。

<役割>

  • 公民学が連携し、地域課題の解決や未来創造型のまちづくりに向けた基盤作り
  • 専門的な知見に基づく、地域の将来像や空間整備に係る事業のデザイン・マネジメント
  • 調査・研究活動を通じた専門的な知見の蓄積、まちづくりの担い手育成やまちに関する情報発信

<主な活動内容>

  • まちづくりの場の提供・支援:地域住民の地域活動の場の提供と支援
  • なみえ創成小中学校防災地理部:防災と地理に関する基礎的な知識の習得と、復興まちづくりの調査、提案を行うことを目的とした授業の開講。
  • ふたばまちづくりデザインウィーク:浪江を中心とする双葉郡でのフィールドプログラムを展開し、地域モビリティを活用したツーリズムを開催。
  • 浜通り復興デザインセンサス:帰還や転居等の地域居住のプロセスを把握するための総合調査の実施。データに基づく地域復興の可視化とまちづくりの基盤を構築し、浜通り地域の生活利便性向上に向けたモビリティの社会実装。
  • 地域不定期外来:「浜通り地域デザインセンターなみえ」にまちづくりの専門家を常時配置し、地域住民からのまちづくり活動等に関する相談受付。

<組織構成と各者の役割>

  • 組織構成:センター長/東京大学 社会基盤学専攻 教授 羽藤 英二、構成団体/東京大学、日産自動車
  • 各者の役割
    東京大学:専門家を派遣し、研究・まちづくり活動を企画・運営
    日産自動車:地域内での新しいモビリティサービス構築研究と移動需要創出につながるまちづくり活動

<活動拠点について>

日産は2021年2月2日、「浜通り地域におけるモビリティを活用したまちづくり連携協定」締結を機に、JR浪江駅前に事務所を設け、公共交通サービスの構築を目指すモビリティサービスや地域の低炭素化に向けたエネルギーマネジメントの実証実験を行ってきたほか、地域住民と共に、電気自動車(EV)を活用した賑わいづくりやコミュニティ活性化活動を実施。

今回設立した「浜通り地域デザインセンターなみえ」は、既存の日産事務所に隣接する場所に設けることで両事務所での活動の相乗効果を図ると共に、より地元に根差したコミュニティ活性化活動を実施。また、駅前の立地を活かして、多くの住民にコワーキングスペースやイベント会場として利用してもらうほか、電気自動車(EV)から建屋に給電する機能も備えている為、災害時には一時的な避難所としても活用が可能。なお、同デザインセンターは、東京大学が中心となり、復興支援をコンセプトに地域木材を活用した内装デザインを採用。外壁には浪江町の住民との対話を基にデザインしたアートを展示するなど、地域に溶け込む造りとした。

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