メルセデス・ベンツ、Eクラスなど計15車種 10,446台をリコール

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メルセデス・ベンツ日本は5月25日、「E220d」「E220dステーションワゴン」「E220d 4MATIC ステーションワゴン」「S400d」「S400d 4MATIC」計5車種の原動機(クーラントポンプ)に不具合が、また「R350 4MATIC」「R500」「R550 4MATIC」「R63」「ML350」「ML350 BlueTEC 4MATIC」「ML500」「ML550 4MATIC」「ML63」「GL550 4MATIC」計10車種の制動装置(ブレーキ倍力装置)に不具合があるとして計10,446台のリコールを国土交通省に届け出た。対象となる輸入期間は平成17年6月29日~令和2年7月16日。

5車種の不具合の部位は原動機(クーラントポンプ)で、ディーゼルエンジンに搭載されているクーラントポンプにおいて、軸受けシールの設計が不適切なため、作動の制御が行われている負圧回路へ冷却水が浸入し、負圧回路の関連部品が作動不良を起こすことがある。そのため、エンジン警告灯(MIL)が点灯する、出力が低下する、ブレーキ倍力装置の機能が低下する等の不具合が発生し、排気ガスの再循環装置(EGR)制御用の電磁バルブに作動不良が発生した場合においては、MIL点灯と共に排ガスが悪化し、更に短絡が発生すると発熱して周囲を溶損させることで、最悪の場合、火災に至るおそれがある。 改善措置は、全車両でEGR制御用の電磁バルブを新品に交換し、エンジンコントロールユニットの制御プログラムを対策プログラムに書き換える。また、負圧回路の点検を行い、冷却水やエンジンオイルが浸入している関連部品は、新品に交換する。不具合の件数は9件発生している。

10車種の不具合の部位は制動装置(ブレーキ倍力装置) で、ブレーキ倍力装置に装着されているラバースリーブにおいて、設計が不適切なためブレーキ倍力装置のハウジングとの隙間に浸入した水分が長期間排出されず、ハウジングが腐食することがある。そのため、腐食が進むとハウジングに穴が開くことで装置の機能が低下し、必要なブレーキ踏力が増加したり、制動距離が延びたりする。更に腐食が進むとブレーキ倍力装置が破損することで、最悪の場合、ブレーキペダルでの制動が不能に至るおそれがある。 改善措置は、全車両でラバースリーブを取り外す。また、ブレーキ倍力装置のハウジングの腐食状態を点検し、腐食が基準を超えるものは全車両、装置の機能点検を行う。点検の結果、負圧漏れが生じて機能が低下している場合はブレーキ倍力装置を対策品に交換し、機能低下が生じていない場合は、部品の準備ができしだい、再度点検を実施した上で、腐食の状態に応じてブレーキ倍力装置を対策品に交換する。なお、ブレーキに違和感がある場合は、対策が実施されるまで運転しないよう使用者に要請する。

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