MoTとゼンリン、3万台のドライブレコーダー映像を活用した地図情報メンテナンスを全国の高速道路で試験運用開始

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株式会社Mobility Technologies(以下「MoT」)と株式会社ゼンリンは5月10日、ドライブレコーダーのデータを元に、地図と実際の道路情報の差分をAI技術などを用いて自動で抽出し、地図のメンテナンスに活用する「道路情報の自動差分抽出プロジェクト」において、全国の高速道路を対象に試験運用を開始したと発表した。

「道路情報の自動差分抽出プロジェクト」は、ドライブレコーダーから取得できる情報を元に道路上の物体を検出し、地図と比較することで現地と地図の差分を見つけ、地図を更新するプロジェクト。2020年4月の開始から要素技術の研究とシステム開発を終え、2022年4月より全国の高速道路を対象に試験運用を開始した。

同プロジェクトの特徴である、高鮮度な大量の道路情報データは、MoTが展開する次世代AIドラレコサービス「DRIVE CHART」によって収集。現在、全国3万台以上のタクシーやトラック、営業車で契約されており、全国の高速道路(高速自動車国道および自動車専用道路)の総距離約3万kmのうち約9割を1ヶ月で走行する網羅性を有しているという。

また、高速道路上のLED式速度制限標識は、LEDの点灯周波数とドライブレコーダーの撮影周波数の関係でLEDの数値が映像に映らない瞬間があり、AIによる数値の読み取りが困難などの問題を受け、複数名のKaggle Masterを有しているほか、アノテーションチームを内製化するなど、映像中で検出した標識を追跡し、LEDの数値がはっきり見える瞬間を自動的に選んで読み取りを行うことで、97%以上という高い読み取り正解率を達成しているとしている。

同プロジェクトでは、MoTからの差分情報を元に、ゼンリンによる地図整備プロセスを経て、ADやADAS用途の地図へ反映予定であり、高鮮度な地図情報需要に対応するのに加え、今後は一般道路にも拡張していくほか、道路標識だけではなく、走行領域、レーン、道幅、そして矢印ペイントと、取得情報を増加し、重要な道路情報の変化をいち早く検出し、地図への反映や、車両への変化点速報に活用することで、自動運転社会の基盤となることを目指すと述べている。

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