三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は3月30日、新排出ガス規制に移行するインドネシア向けに、「ユーロ4」に準拠する小型・中型トラックの新ラインアップを3月24日の現地発表会にて公開したと発表した。29車種の小型トラック「キャンター」と中型トラック「ファイターX」を新たに販売する。
これまで「コルト・ディーゼル」の名称で親しまれてきたインドネシア向け小型トラックは、同新型モデルより「キャンター」の名称で導入。79kW、100kW、110kWの出力バリエーション、2種類のキャビン、4種類のホイールベースから選択が可能で、4V21型コモンレールエンジンを搭載し、排気ガス後処理システムを改良することで、欧州排ガス規制「ユーロ4」に対応した。また、カスタマーのニーズにより、パワーステアリングを「キャンター」ラインの全車両に搭載した。なお、新型「キャンター」は、現行モデルの「コルト・ディーゼル」と同様、MFTBCの川崎工場からノックダウン(KD)キットとして出荷し、東ジャカルタのPT Krama Yudha Ratu Motors (KRM)の工場で現地組立を実施する。
さらに、中型トラックの製品ラインアップを一新、拡充した。小型トラックと同じく、同新型モデルにより名称を「FUSO」から「ファイターX」に変更。インドネシアにおけるFUSOの製品史上最大のトルクを発揮する6M60型コモンレールエンジンを搭載し、車両性能の向上を実現。新設計の6速トランスミッションを組み合わせることにより、積載量の最大化を図ったのに加え、11インチタイヤの装着を可能にすることで、より多様な路面状況や積載量に対応した。加えて、全車両にフルエアブレーキシステムとアンチロックブレーキシステムを搭載し、安全性を向上。同社は今回の中型ラインアップの更新について、インドネシア市場向けに35年間にわたり「FUSO」の名称で親しまれてきた中型モデルからの移行に合わせたもので、特に重要な意味を持つとしている。
最大輸出市場であるインドネシアへの新型「キャンター」・「ファイターX」の投入は、MFTBCにとって大きな転換を示すと述べており、インドネシアにおける商用車の新たなステージに向け、三菱商事との合弁会社である販売会社PT Krama Yudha Tiga Berlian Motors(KTB)と共同で現地走行テストを実施。実際の市場環境を想定した走行テストは100万km以上にも及び、さらに開発段階では、2年間にわたり30台以上の試作車を用いて新製品の機能、耐久性、信頼性を評価したとしている。同社は、これらの新製品とKTBとの連携を通じ、50年以上も続く現地市場トップシェアの伝統を継承していくことを目指すと述べている。