安倍晋三元総理が顧問として出席
キャンピングカーの普及を推進する目的で昨年発足した「キャンピングカーとくるま旅の普及を実現する議員連盟」による総会が3月2日に開催され、議員連盟および日本RV協会から各省庁に出されていた要望についての進捗報告と、キャンピングカーの市場拡大に伴う新たな要望が提出された。
会には、自由民主党の国会議員を中心に結成した議員連盟の他、日本RV協会、関係各省庁が出席。会長の古屋圭司衆議院議員による冒頭の挨拶では、キャンピングカーの有用性を改めて説明。国土強靭化担当大臣の際に提唱した「平時活用有事機能発揮」を例に、平時のレジャー用途に加えて、有事の際も役立つことを強調した。さらに、車中泊利用ができない「道の駅」に言及するなど「規制緩和を含めて、キャンピングカーで利用できる施設の拡充にも取り組んでいきたい」と豊富を語った。
また、顧問に就任した安倍晋三元総理は、急増するキャンピングカー需要に対して生産規模の小ささにも言及し、「小さいということは可能性があること。力を注いでいけば世界一の市場になる。そのために様々な規制を緩和し、キャンピングカーを増やしていくことが大切」と語った。
8ナンバー登録の構造要件改正、4月1日に施行
2021年に提出された要望については、2つの案件で進捗が見られた。
ひとつは、キャンピングカー登録に関する構造要件についてだ。いわゆる8ナンバー登録をするためには様々な構造要件が必要になる。その一つが室内高の規定で、今回この構造要件に見直しが入り、大幅な緩和がされる改正が確定した。さらに乗車定員に対する就寝定員の最低数も改正となり、4月1日から施行される。
担当省庁にて検討中の案件としては、LPガス(質量販売)規制の見直しもされていると報告があった。これまで保安確保の観点からLPガスの質量販売が難しかった問題に対して、一般消費者でもガス安全に関わる一定の知識や技量を講習等で取得した場合、緊急時対応を自ら行うことを認める方向に検討されている。
新たな要望としては、米国製キャンピングカーの新規検査等に掛かる費用負担軽減について、リヤオーバーハング規制により輸入できない欧米モデルの規制緩和、GVWR3.5tを超える自動車排出ガス試験に対する支援等が提出された。
また、道の駅設にキャンピングカーが滞在できるRVパークの設置等も要望として加えられ、各省庁も日本RV協会に協力しつつ前向きに検討していく回答が得られていた。
改正される構造要件についての詳細は、日本RV協会および国土交通省自動車局からの開示があり次第紹介していく。