AD”VAN”TURE アクティビティ&車中泊体験イベントを高萩市で開催

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日産・キャラバンのビッグマイナーチェンジ(2021年10月)にあわせ、日産自動車が企画したキャラバンを使って遊びのプロを目指す体験型イベント、AD”VAN”TUREが2021年12月18日から19日まで、花貫ふるさと自然公園(茨城県高萩市)を中心とする高萩市内の会場で行われた。

AD”VAN”TUREとは、日産・キャラバン(VAN)でアドベンチャー(ADVENTURE)のようにアウトドア体験を楽しんでもらいたい、という思い込め命名されたもの。

約300組の応募の中から抽選で、Hさん父子(埼玉県在住)のペアが見事当選。キャラバンでの車中泊を含むブッシュクラフト、トレイルライド、SUPフィッシングといったアクティビティに、それぞれのスペシャリストからマンツーマンでレクチャーを受けて体験した。

Hさん父子は初日、まず車中泊仕様のキャラバンについてレクチャーを受け、さっそくランチを調理。午後にブッシュクラフトを体験、その後、キャラバンで近隣のけやき平キャンプ場に移動し夕食を作り車中泊を体験した。

バックドアを開けると太平洋からの日の出

翌日は朝食を済ませ、花貫ふるさと自然公園に戻り特設コースでトレイルライドを体験。午後は前浜海岸から小山湖と会場を変えながらSUPとSUPフィッシングを体験した。1泊2日の体験を終えたHさん父子には、記念として4名のスペシャリストのサインが入った「AD”VAN”TURE」終了証が贈られた。

このイベントは、高萩市内の各会場を移動しながらのアクティビティ体験だったが、キャラバンが持つ広く、奥行きの長い荷室を活かし必要なギアを悠々と積み込み、仕事でも趣味でも使えるキャラバンの本領を発揮した。

①キャラバン車中泊仕様車:このイベントのために制作された車中泊仕様。荷室には今回のアクティビティ体験で使用するギアが積み込まれていた。さらに、折りたたみタイプの純正のマルチベッドが装備されており、荷室をシーンによって使い分けられる。

長いカウンターキッチンも搭載できた

注目は、スペシャリストの田島さんが制作したスライド式のカウンターキッチン。全長約2.7mでバックドアから車外へスルスルと展開できる。カウンターにはIH調理器具やシンク、まな板、清水/排水タンクが組み込まれている。シンク脇に電池式のポンプを内蔵した蛇口を取り付け、清水タンクから水を汲み上げる。車内で調理すると、どうしても匂いがこもってしまうので、調理は車外の方がいいというスペシャリストの長年の経験から、このカウンターキッチンが提案された。

②ブッシュクラフト:森林等の自然の中で生活する知恵や技術すべてのこと。敢えて先進技術の用具類を使うのではなく、ちょっとレトロなアイテムを使うのも特徴。ナイフで薪を小分けにして、マッチを使わず火起こしの道具を使い焚火を起こす体験をした。その焚火でマシュマロを焼いた。

■記者も挑戦、火起こし体験

参加者同様、取材記者もスペシャリストの指導の下、マッチを使わない火起こしを体験した。スペシャリスト曰はく「焚火は段取りが8割です」。太さの異なる薪を3種類、メタルマッチで散らした火花を移す火口(ほぐち)を用意する。

薪用に切られた白樺の木を、ナイフで中くらいの太さ、親指の太さに割っていく。薪を割る時の技術をバトニングといい、太い薪を垂直に立ててナイフの付け根の方に1㎝位残し、ナイフの刃を薪に当てる。

バトニング

ナイフの峰の部分を別の薪で叩き、ナイフの刃を食い込ませる。食い込んだらナイフの先端の方の峰をたたくと、楔を入れたように薪がスパッと割れる。

親指の太さ位に割った薪の先の方を、ナイフで細く削いでいく。削いだ部分は薪から切り落とさないでカール状にする。これがフェザースティックといい、カール状の部分が火口の火を受ける。

メタルマッチは棒の部分と平たい金属の部分があり、棒の部分を金属の部分で擦ると火花が散る。メタルマッチの棒の部分を火口(麻ひもをほぐしたふわふわしたもの)に当て、金属の部分で棒を擦り火花を散らす。

メタルマッチ

火口がパッと燃え上がり、フェザースティックに火が移り、次の太い薪に火が移る、最後に最も太い薪に火が移り焚火が安定する。

記者はメタルマッチで大きな火花を散らすのに苦戦した。火花の飛び具合は、棒の部分を擦る平たい金属が当たる角度にもよるようだ。また、バトニングではついついナイフの峰を叩く方に力を込めてしまったが効果的なのは逆で、ナイフをしっかり支えるようにアドバイスを受けた。これでナイフの刃に打撃がしっかり伝わるという。つまり、記者は力を無駄に使っていたということだった…。

スペシャリストの手にかかるとアッという間に焚火が完成

③トレイルライド:MTB元日本チャンピオン・青木卓也さんが設計した特設コースに挑戦した。青木さんが所属するトレック・ジャパンが二人のために最新のe-bikeを用意。電動アシストがついたMTBで、起伏の激しいコースも軽い力で走れる。息子さんはレクチャーを受けながら数回走るとすぐにコツを掴み、夢中でコースを走り回った。

④SUPとSUPフィッシング:SUPとはスタンド・アップ・パドルボードの略で、サーフボードのような形状のボードに立ち、パドルを漕いで水面を進む。公認インストラクターの柳田由人さんから入念なレクチャーを受け、前浜海岸から海に漕ぎ出した。慣れてから徐々に岸を離れ、沖に出てフィッシングに挑戦した。

2日間の体験を終えたHさん(父)は「久しぶりに息子と二人の時間を過ごして、車中泊で寝る前にも普段は話せないようなことまで話せて貴重な時間でした。体験の時も息子の新しい一面が見られて、本当にいい体験でした」「全部楽しかった。SUPとトレイルライドはうまくできたけど、ブッシュクラフトでの火起こしがうまくできなかったから、またやってみたい(息子さん)」と感想を語った。

終了証を手にするHさん父子

会場を提供した高萩市・大部勝規市長は「高萩市の85%は山林で、高萩市そのものがアウトドアフィールドだと思います。高萩市を持続可能な街にするため、3年ほど前から観光、教育、アウトドアに力を入れ、道路網の整備も進めている。小さな町ですけど皆さんに楽しんでいただけるフィールドを作っていきます」と構想を語った。

高萩市・大部勝規市長も会場に駆け付けた

【スペシャリスト】

  • 車中泊:田島直哉さん(cardrobe!代表)
  • ブッシュクラフト:小西政幸さん(日本ブッシュクラフト協会理事)
  • SUP:柳田由人さん(SUP指導者協会公認インストラクター)
  • トレイルライド:青木卓也さん(トレック・ジャパン)
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