ステランティス、テストコースを新設 ワイヤレス給電の実証実験を開始

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ステランティスは12月2日(イタリア現地時間)、ブレシアとミラノを結ぶ⾼速道路であるアウトストラーダA35を運営するA35 Brebemi社が、ステランティスをはじめとする国際的なパートナー企業と公的機関や⼤学などの協力を得て、テストコース「アレーナ・デル・フートゥロ(未来のアリーナ)」を新設したと発表した。同テストコースは、ダイナミックインダクション(ワイヤレス給電)システムによる、⾛⾏中の電気⾃動⾞のワイヤレス充電の実証試験を目的として新設された。

「アレーナ・デル・フートゥロ」では、道路に埋設するワイヤレス給電システムを規定し、給電回路を敷設した後に、給電システムの実証試験を実施する。それに先⽴ち、全⻑1,050メートルのサーキットの開通式が⾏われた。同サーキットは、アウトストラーダA35のキアーリ・オーヴェスト出口近くにある私有地に開設され、1MWの電⼒を供給している。

電気自動⾞が⾛⾏中に充電するための⾰新的な技術の実証試験の開始にあたり、最初の実験⽤⾞両である新型Fiat 500とIveco E-Wayバスが用意され、すでに走行実験を開始しており、これまでのところ想定以上の結果が得られているという。今回の実証実験では、Arena del Futuroの目玉であるDWPTシステムが、モビリティ分野における脱炭素と持続的な環境保全に対する最適解のひとつであることの⽴証を⽬的としている。

ステランティスは、2021年7月8日のEVデーで開示した電動化戦略の⼀環として、同プロジェクトに参加。同社は航続距離が⻑く、⾼速充電が可能な最先端の⾃動⾞を顧客に提供するだけでなく、要求の厳しい顧客のあらゆるニーズを満たすことができるサービスのエコシステムを構築することに取り組んでいる。2025年までに電動化とソフトウェア開発に300億ユーロ以上の投資を予定しており、脱炭素化計画を支援すると同時に、世界中でクラス最高の顧客満足を実現することを目指している。

DWPTは舗装路の下に埋設されたコイルにより、電気⾃動⾞を⾛⾏中に「ワイヤレス」で充電することが可能となる。同技術は道路下のコイルから⼊ってくるエネルギーをバッテリーに転送する特殊な「レシーバー」を装備したすべての⾞両に適⽤することができ、「ゼロエミッション」のモビリティシステムを可能とする。同時に、IoT技術を活⽤することで⾼度なコネクティビティを実現し、アウトストラーダを⾛⾏中の⾞両との間で常に対話が⾏われ、最⼤限の安全性が保証されるほか、ワイヤレス充電の効率や効果を変えることなく、路⾯の耐久性を⾼めることも可能となっている。

ステランティスは、DWPTシステムのような革新的なサービスを提供することで、EVデーで発表した、2030年までに欧州で販売する⾞両の70%以上、米国で販売する⾞両の40%以上をLEVにするという野心的な目標達成に貢献すると述べている。

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