アウディ、「A8」をマイナーチェンジ

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アウディは11月2日(独現地時間)、マイナーチェンジした新型「A8」を発表した。

【よりシャープになったエクステリア】

今回のフェイスリフトでは、シングルフレームグリルが幅広くなりよりワイドな形状となったほか、クロームアングルのサイズも拡大され、より印象的でシャープなグリルとなった。サイドエアインテークはより直立したデザインを採用し、新しくなったヘッドライトが新鮮な印象となったほか、フロントエンドのデザインは全体的に見直され、調和の取れたデザインエレメントが採用されている。

サイドビューでは、フラットなラインを描くルーフがボディ全体の長さを強調。リヤデザインにおいては、ワイドなクロームライン、デジタルOLEDテクノロジーを採用してカスタマイズ可能なテールライト、横幅一杯に広がるセグメント化されたライトストリップが特徴となっている。バンパーのディフューザーインサートは水平バーとともにデザインの見直しが図られ、排気フローを最適化した4本出しの丸形テールパイプを備えている。

さらにエクステリアでは、標準仕様に加えてクロームエクステリアパッケージを用意。さらにA8としては初めて、新しいS lineエクステリアパッケージも設定する。後者はフロントをダイナミックな印象とし、標準仕様とは差別化を図っている。サイドエアインテークには独自のブレードを追加しフロントビューを強化。エクステリアスタイルは、ブラックアピアランスパッケージを追加することによって、さらに印象的となる。外板色では、新色のメタリックディストリクトグリーン、ファーマメントブルー、マンハッタングレー、ウルトラブルーを含む11色のカラーを設定。デイトナグレー、フローレットシルバー、ディストリクトグリーン、テラグレー、グレイシャーホワイトの5つのマットカラーを新たに選択することもできるほか、アウディエクスクルーシブプログラムを利用することで好みのカラーを自由に選択することも可能となっている。

今回のフェイスリフトでは、ボディ寸法の変更を最小限に留め、A8のホイールベース3.00m、全長5.19m、全幅1.95m、全高1.47m。S8は全長が約1cm長くなっている。A8のボディは、アウディスペースフレーム(ASF)を採用。ボディの58%にアルミニウムコンポーネントを採用し、パッセンジャーコンパートメントは熱間成型されたスチールコンポーネントから構成され、超高強度で非常にねじれ剛性の高いカーボンファイバー強化プラスチック製のリヤパネルにより強化。フロントのストラットタワーバーにはマグネシウムを採用し、さらに軽量化を進化した。

新型A8には、革新的な機能を採用した新ヘッドライトとテールライトを装備。DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)テクノロジーを使用したデジタルマトリクスLEDヘッドライトでは、高速道路を走行する際に便利な新機能のレーンおよびオリエンテーションライトを搭載。また、ドライバーが車両のロックを解除したり、車両から離れる際に、ダイナミックカミングホーム/リービングホーム機能を作動させ、プロジェクターのように地面や壁に光のショーを展開する。また、A8にはデジタルOLEDリヤライト(OLED=有機発光ダイオード)を標準装備。注文時には、2種類のリヤライトシグネチャーから好みのものを選択することが可能(S8は3種類)。デジタルOLEDリヤライトには、アシスタンスシステムと連動した近接表示機能が組み込まれ、ダイナミックターンシグナルのほか、カミングホームおよびリービングホームシーケンス機能が追加されている。

 

 

【無駄を排したインテリアデザイン】

インテリアの造形は、水平基調のデザインを基本として幅広さを強調。控えめで上品なデザインを採用している。夜間には、アンビエントライトパッケージプラス(アウディデザインセレクションとS8に標準装備)がインテリアをエレガントに演出し、リヤシートにはマトリクスLEDテクノロジーを採用したリーディングライトが設置されている。

また、多彩で快適なシートを設定。A8 Lのリラクゼーションシートでは、数多くの調整オプションに加え、フロントシート背面にフットレストを装備。リラクゼーションシートパッケージには、シートの背もたれ部分に18個の空気圧クッションを備えたマッサージ機能、電動調整が可能なコンフォートヘッドレスト、オプションのコンティニュアスセンターコンソール(オプションの折りたたみ式テーブルも利用可能)、4ゾーンデラックスオートマチックエアコンディショナー、新しいリヤシート用ディスプレイが含まれている。アウディエクスクルーシブプログラムでは、バーコンパートメントを含むクーラーも用意され、リヤシートの快適性がさらに向上している。シートは、標準でバレッタレザーを採用し、オプションでヴァルコナレザーも用意しており、新色のコニャックブラウンを選択可能となっている。

さらに、幅広いインテリア仕様を選択できることでき、パステルシルバーのアウディデザインセレクションに加え、ブラック、メルローレッド、コニャックのS lineインテリアが含まれている。さらに、アウディエクスクルーシブには複数のレザーパッケージと装備が用意され、オプションのエアクオリティパッケージにはフレグランス機能とイオン化装置が含まれている。

 

 

【5種類のエンジンラインナップ】

A8には5種類のエンジンを搭載。3.0 TDIと3.0 TFSIは、それぞれ3リッターの排気量を備えたV6エンジン。さまざまな出力レベルで提供され、A8とS8に搭載される4リッターV8エンジンの4.0 TFSIには、シリンダーオンデマンド(COD)テクノロジーが採用され、TFSI eプラグインハイブリッドモデルでは3.0 TFSIエンジンと電気モーターを組み合わせている。

最高出力210kW(286PS)/最大トルク600Nmを発揮する3.0 TDIは、A8 50 TDI quattroとA8 L 50 TDI quattroに搭載。最大トルクは1,750~3,250rpmの幅広い回転域で発生する。このディーゼルエンジンを搭載したA8およびA8 Lは、0~100km/hを5.9秒で加速し、最高速度は250km/hとなる(電子リミッター作動)。250kW(340PS)を発生する3.0 TFSIは、A8 55 TFSI quattroとA8 L 55 TFSI quattroに搭載。中国では210kW(286PS)を発生するバージョンが設定されている。最大トルクは00Nm/1,370〜4,500rpm。0~100km/h加速は5.6秒(Lモデル:5.7秒)。

A8モデルに搭載される4.0 TFSIは、最高出力338kW(460PS)と660Nmの最大トルク(1,850〜4,500rpm)を発生することで、非常にスポーティなパフォーマンスを実現。A8 60 TSFI quattroおよびA8 L 60 TFSI quattroは、ともに0~100km/hを4.4秒で加速する。

S8 TSFI quattroには、420kW(571PS)の最高出力と、800Nm/2,050〜4,500rpmの最大トルクを発生する、ツインターボV8エンジンを搭載。0~100km/h加速は3.8秒を実現している。S8では、同モデルにのみ工場出荷時にプレディクティブ アクティブサスペンション、スポーツディファレンシャル、ダイナミック オールホイールステアリングを装着。インテリアとエクステリアに独自のデザイン要素を取り入れ、スポーティなキャラクターを意図的に演出している。主要な市場である中国、米国、カナダ、韓国では、ロングホイールベース仕様のS8のみが導入され、ロングホイールベース仕様では、全長と全高が増加することによって、ヘッドルームおよびレッグルームのスペースが増え、乗員快適性が大幅に向上している。

なお、すべてのモデルには、48ボルトマイルドハイブリッドテクノロジー(MHEV)が標準装備されている。

【A8プラグインハイブリッドモデル】

A8シリーズのプラグインハイブリッドモデル(PHEV)のA8 60 TFSI e quattroとA8 L 60 TFSI e quattroは、3.0 TFSIとコンパクトな電気モーターが組み合わされ、車両のリヤに搭載されたリチウムイオンバッテリーの正味エネルギー容量は14.4kWh(総容量:17.9 kWh)。容量は、以前のモデルよりも大幅に増加している。340kW(462PS)のシステムパワーと700Nmのシステムトルクを備えたA8 60 TFSI e quattro(A8およびA8 L)は0~100km/hを4.9秒で加速する。

プラグインハイブリッドモデルでは、完全な電動モード「EV」、両方の駆動システムの効率的な組み合わせの「ハイブリッド」、「ホールド」は利用可能な電気エネルギーを節約するモード「ホールド」、「充電」モードでは内燃エンジンでバッテリーを充電する「充電」モードの、4つの走行モードを選択することが可能。交流を使用した場合の最大充電容量は7.4kWで、自宅のガレージでコンパクトなe-tron充電システムを使用して充電するか、外出先でモード3ケーブルを使用して充電することが可能となっている。

【8速ティプトロニックトランスミッション】

A8のすべてのエンジンは、迅速かつスムーズなシフトを特徴とする8速ティプトロニックトランスミッションが組み合わされる。電動オイルポンプにより、内燃エンジンが作動していないときでもギアを変えることが可能。セルフロッキングセンターディファレンシャルを備えたquattroフルタイム4輪駆動システムは標準装備されており、オプションでスポーツディファレンシャルを追加することが可能となっている(S8には標準装備、プラグインハイブリッドモデルには装着不可)。

【優れたバランスを特徴とするサスペンションを標準装備】

アウディドライブセレクト ハンドリングシステムによる独自のドライビングプロファイルにより、スポーティなドライビング特性から快適性重視の特性まで、幅広い設定が可能。減衰力を電子的に調整するアダプティブエアサスペンションを標準装備しているほか、プログレッシブステアリングも標準装備している。ダイナミックオールホイールステアリングは、オプションとして装着可能。

【プレディクティブ アクティブサスペンション】

電気モーターを介して各ホイールに追加のパワーを供給したり停止したりできるため、あらゆる走行条件でシャシーのポジションをアクティブに調整することが可能で、「ダイナミックモード」「コンフォート+モード」を設定している。

さらに6つの新しいデザインを含む、アウディおよびAudi Sportによる18インチから21インチのホイールを設定。S8(プラグインハイブリッドシステムまたは6気筒を搭載したモデル以外)のトップバージョンでは、カーボンファイバーセラミック ブレーキディスクを装着することが可能となっている。

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