三菱ふそうトラック・バス（以下、MFTBC）は7月7日、ナイジェリアの大手飲料メーカーのナイジェリアン・ブルワリーズ社（Nigerian Breweries Plc.、本社：ラゴス）に、2021年6月中旬「キャンター」を50台納車したと発表した。
今回納車した小型トラック「キャンター」の「FE84」モデルは、総合車両重量6.5トン、4×2駆動、3,350mmのホイールベースで現地で販売されている。同車両はラゴスにあるナイジェリアン・ブルワリーズ社の製品流通の目的で都市部や遠隔地での運送において利用され、主に同社の工場と国内の卸業者間のルート配送での活用を予定している。ナイジェリアの酒造業界は、同国の人口に大きな割合を占める若者によって過去10年間安定した成長を遂げており、ナイジェリアン・ブルワリーズ社のような飲料メーカーは、流通能力の強化にも取り組んでいる。
ナイジェリアで販売しているFUSOブランドのトラックは、「FE84」を含め、大半がCFAO モーターズ・ナイジェリア社（CFAO Motors Nigeria Ltd.、本社：ラゴス）が運営するKD工場で組み立てられている。「キャンター」の現地組立は2017年の「FE84」型から始まり、その後「FE71」型も生産車種に追加。トラックの組み立てキットは、MFTBCの川崎工場から輸出されている。KD生産は、この成長地域における戦略の礎の一つであり、MFTBCの提携企業はケニアや南アフリカなどの主要国でも現地組立施設に投資を実施。アフリカ戦略のもう一つの要である顧客重視の姿勢は、アラブ首長国連邦、ケニア、南アフリカに所在するリージョナル・センター（地域統括拠点）のチームが現地販売代理店や顧客と密接に連携し、製品ラインアップの最適化やアフターセールスのサポートを行うことで実現している。
耐久性に優れた「キャンター」はナイジェリア市場において、現在小型車セグメントでトップシェアを占めており、その背景には製品の多様性が存在する。MFTBCは、KD生産が行われているモデルに加え、「キャンター」の「FE71」、「FE84」、「FE85」をナイジェリアへ向けて完成車を出荷している。また同社は、ビジネスパートナーであるCFAOグループと協力し、今後数年以内にナイジェリアのKDモデルのラインナップの拡大を予定している。
