トヨタ、新型EV「bZ4X」の詳細公表、22年に発売

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トヨタは10月29日、新型「BEV」「bZ4X」の詳細を公表した。なお「bZ4X」は2022年年央から、日本、北米、中国、欧州など各地域への導入を予定している。

 

 

同社は持続可能な社会の実現に向け様々な課題の解決に取り組んでおり、特にCO2排出量削減は地球規模での喫緊の課題とし、2050年のカーボンニュートラル(CN)に向けた取り組みを推進。プラクティカル(実用的)な形でサステナブル(持続可能)な移動手段を提供するため、HEV/PHEV/BEV/FCEVという電動車のフルラインアップ化を推し進ている。

新BEVシリーズ、TOYOTA bZも、上記方針に基づき、中国・米国・欧州・日本など、BEVの需要や再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域において、2025年までに7車種の導入を予定している。

【bZシリーズ導入の4つの目標価値】

①You & Others:ヒトとヒト

快適な移動空間に加え、大切な家族や仲間と過ごすかけがえのない時間と新しいライフスタイルを提供

②You & Your Car:ヒトとクルマ

BEVならではの運転の楽しさ、可能性を期待させるワクワク感の提供

③You & the Environment:ヒトと地球

CO2排出量など、マイナスを減らすだけではなくプラスを生み出す

④You & Society:ヒトと社会

安心・安全な社会づくりへの貢献

【「bZ4X」車両概要】

bZ4Xは、上記目標価値を踏まえ開発された、TOYOTA bZシリーズ第一弾となるミディアムセグメントSUV型BEV。トヨタは、このbZ4XからフルラインアップでBEVの展開を推進する。

<コンセプトは「Activity Hub」>

新しい時代を迎えるクルマとして、乗員全員が一緒に楽しい時間や空間を共有できる「絆」のような役割を担いたいという意志を込め、「Activity Hub」をコンセプトとした。インテリア、スタイリング、運転感覚、走行性能など、それぞれの分野で革新にチャレンジ。ワクワク感のあるクルマを目指した。

<BEVの斬新さとSUVの迫力を表現したスタイリング>

Hi-Tech and Emotionというデザインテーマのもと、BEVの先進感とクルマ本来の美しさを融合した造形にチャレンジし、先進的なスリークさと、SUVらしい力強さを両立したスタイリングを目指した。

  • サイドビュー:四隅に配置したタイヤによる長いホイールベースを活かした、スリークなプロポーションとリフトアップしたSUVらしさの融合による新しいシルエットを実現
  • フロントビュー:従来車のラジエータを象徴したセンター強調のテーマと異なる、空力アイテムが織り込まれたコーナー部と、上下に薄いバンパー形状により、BEVの独自性を表現。また、フードからヘッドランプ上部へと連続する、特徴的なハンマーヘッド形状で独自性にチャレンジ
  • リヤビュー:リヤコンビネーションランプ、バックドア、バンパーは、タイヤへ向かう台形のテーマとし、低重心で力強いスタンスを表現

<BEV専用のプラットフォームをスバルと共同開発>

e-TNGAの考え方に基づくBEV専用プラットフォーム(トヨタ初)を採用。すべての基礎となるBEV専用のプラットフォームをスバルと共同開発した。BEVならではの要件を盛り込み、低重心・高剛性化したプラットフォームにより、滑らかで意のままになる走行性能と、本格SUVとしての走破性を追求した。

  • Dセグメントセダン並みのタンデムディスタンス(前後シート間距離)1,000mmを確保
  • 足元の広さ(レッグルーム)も、前後ともミディアムセグメントSUVクラストップレベル
  • 低い位置のインストルメントパネル、大開口パノラマルーフ(装着車を設定)により解放感を創出
  • 落ち着いた室内を演出するファブリック張りのインストルメントパネル遮音性の高いガラス、風切り音の減少などにより、走行中でも明瞭な会話が可能な静粛性

◆低重心化の取り組み

  • 薄型大容量電池パックを床下・平置きで配置
  • モーター、トランスアクスル、インバーターを一体化したe-Axleを採用(トヨタ初)
  • 充電機能と電力分配機能を集約したElectricity Supply Unit(ESU)を採用(トヨタ初)

高剛性化の取り組み

  • 主要骨格部位にホットスタンプ材、高張力鋼板を用いた軽量・高剛性なボディ構造を採用
  • 電池パックとその周辺、BEVユニットやラジエータ搭載部、前後サスペンション周りなど、各部の剛性を向上

◆モーター駆動の特性を活かした走り

  • 素早いレスポンス、リニアな加速感、高精度な出力制御(加減速のコントロールとドライバーのペダル操作の軽減、滑りやすい路面のスリップ抑制制御など)
  • 前後モーターの独立制御(AWD車)による、回頭性や操縦安定性の向上
  • SUBARUのAWD技術、X-MODEを採用(AWD車、トヨタ初)。また、X-MODEの新たな機能としてGrip-Controlを新開発し搭載。モーター駆動の特性を活かすことで、日常ユースからライトオフロード以上の走行まで対応、BEVの期待を超える高い走破性を実現

◆メーターの見やすさを重視したコックピット

  • メーターをステアリングホイールの上側を通して見えるように配置したトップマウントメーター(トヨタ初)。視線移動を少なく遠視点化し、見やすさを重視
  • ステアリングコラムを含めた運転操作系を操作しやすいようモジュール化、手元からメーターの視線誘導を促す羽衣のような形状を採用

◆ステアバイワイヤシステムと異形ステアリングホイールを組み合わせたワンモーショングリップ(トヨタ初)

  • ステアリングホイールとタイヤの間にメカニカルな結合のない、ステアバイワイヤシステムを一部車種に採用。

<安心と安全にこだわった性能>

実用上、特に冬場の航続距離の確保や、世界トップレベルの電池容量維持率(10年後90%)を目標とし、安心して長く使えるBEVを目指した。安全面でも、電池自体の高度な安全性を追求しているほか、最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」の採用や、全方位衝突に対応するボディ構造、衝突時の保護性能確保に寄与する電池パックの採用などにより、安全にこだわったBEVを目指した。

  • ヒートポンプ式エアコン
  • シートヒーター、ステアリングヒーター、前席乗員足元の輻射ヒーター(トヨタ初)
  • 世界各地域の高出力充電に対応(DC急速充電では150kWに対応、30分で充電量80%まで充電可能)

<ルーフソーラーパネル装着車を設定>

1年間で走行距離1,800km(社内試算値)に相当する発電量を生成し、優れた航続可能距離に貢献。充電スタンドがない駐車場等でも充電可能なほか、災害時など緊急時でも、太陽光による充電が可能。

 

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