ジャガー・ランドローバー、世界初のブロックチェーン技術を用いたレザーのデジタルサプライチェーンを試験的に開始

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ジャガー・ランドローバーは10月12日(英現地時間)、サステナブル(持続可能)なレザーサプライチェーンにおける完全な透明性確保のため、試験的に安全なブロックチェーン技術の使用を開始したと発表した。 

同社は、サプライチェーン・トレーサビリティ・プロバイダーのサーキュラー社(Circulor)、英国のトップレザーメーカーであるブリッジ・オブ・ウィアー社(Bridge of Weir Leather Company)、ノッティンガム大学(University of Nottingham)と提携し、レザーのサプライチェーンにおいてトレーサビリティ技術を使用。このデジタル・プロセスにより、ジャガー・ランドローバーは、コンプライアンスだけでなく、農場から製品化されるまでのすべての段階で、レザー・サプライネットワークのカーボン・フットプリントを確認することができるようになり、例えば、ブリッジ・オブ・ウィアー社と協力して二酸化炭素(CO2)排出量を最小限に抑えたレザーを追跡することも可能になるという。

「Innovate UK」の助成による研究の一環として、原材料の「デジタルツイン」が生成され、現実世界とデジタル環境で同時に、レザーのサプライチェーン全体を追跡することが可能となり、GPSデータ、生体認証、QRコードを組み合わせてブロックチェーン技術を使用することで、プロセスの各段階でデジタル的側面から検証。検証プロセスを定義することにより、1枚のレザーが完成するまでのすべての段階で再現可能な計画の立案が可能となる。この手法はジャガー・ランドローバーのグローバルなサプライチェーンに留まらず、ファッションや靴など他の業界への応用も期待されており、すでにサーキュラー社では、ブロックチェーン技術を使い、電気自動車のバッテリーに使用される鉱物のトレーサビリティを向上。ブロックチェーン技術は変更や改ざんが不可能なため、サステナブルなサプライチェーンが本物であり、すべての素材がサステナブルな方法で調達されたものであるということをカスタマーに証明することが可能となっている。 

なお同プロジェクトは、サステナビリティに富んだモダン・ラグジュアリーの再構築、ユニークなカスタマー・エクスペリエンスの提供、ポジティブな社会的インパクトの創出を目指す、ジャガー・ランドローバーの「REIMAGINE」戦略の一環として実施される。

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