日産と名古屋市、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結

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日産自動車、愛知県名古屋市、愛知日産自動車、日産プリンス名古屋販売の4者は7月8日、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したと発表した

同協定は、名古屋市が、「『自助』『共助』『公助』の向上を図るため、電気自動車を非常用電源として活用できる体制の構築や名古屋市内の電気自動車普及に向けた諸施策の実施に加え、災害時等による停電が発生し、又は発生する恐れのある際に、市内で開設された避難所等において、愛知日産自動車及び日産プリンス名古屋販売より貸与される電気自動車(EV)を動力源として活用し、避難者用電源の確保をすることで生活環境の向上を図る」という内容となっている。

名古屋市は、令和元年に内閣府から「SDGs未来都市」に選定され、経済・社会・環境が調和した「誰一人取り残さない」持続可能で強靱なまちづくりに向けた取り組みを進めるとともに、SDGsに関する普及啓発、理解促進を進めている。また、近年発生した自然災害を教訓として、大規模災害から命と産業を守り、安心・安全な暮らしの確保をめざし、地域防災力の向上、災害対応体制の強化、避難対策・避難生活支援の推進に取り組んでいる。さらに、温室効果ガスの削減のため、住宅への太陽光発電設備・蓄電システム・HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の一体的導入、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、V2H(Vehicle to Home)充放電設備導入に対する補助を実施している。

日産では、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、国内の販売会社や全国の自治体や企業と協力して、電気自動車(EV)普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいるのに加え、「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。

今回は日産が推進する「ブルー・スイッチ活動」と、名古屋市が推進する環境・防災対策やSDGsの推進との双方の取り組みにお互いが賛同し、協定の締結を行うこととなった。両者はこの協定締結を機に、環境及び防災対策を強化し、電気自動車(EV)を活用した、環境に優しく、災害に強い、持続可能なまちづくりを推進し、さらに美しい自然環境を未来に残すため、EVの普及を通じた地域課題の解決、脱炭素社会の実現、SDGs達成に向けて、更に連携を強化していくと述べている。

【「災害連携協定」の概要】

  • 名古屋市で災害を起因とする停電が発生した際、市内で開設された避難所に、愛知日産自動車、日産プリンス名古屋販売の店舗に配備している電気自動車(EV)を無償で貸与する。
  • 名古屋市、日産、愛知日産自動車、日産プリンス名古屋販売の協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
  • 名古屋市および日産、愛知日産自動車、日産プリンス名古屋販売は、災害対応体制の強化を図るため、平常時も電気自動車(EV)の普及促進を行うほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車(EV)から供給することで、「電気自動車は『走る蓄電池』」としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。

 

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