新型ゴルフは1L「アクティブ」と1.5L「Rライン」がオススメ【人気モデルのベストな買い方】

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世界のFFハッチバックモデルのベンチマークとして、進化を続けてきたフォルクスワーゲン・ゴルフが今年6月、8年ぶりにフルモデルチェンジした。国内初導入から40年が経過し、日本で最も親しまれてきた輸入車でもあり“初めての”輸入車として選ぶ人も多い。8代目となるその新型ゴルフについて、おすすめグレートや、装着したいオプション等をカーライフジャーナリストの渡辺陽一郎さんに聞いてみました。

《特徴》新型ゴルフはこんなクルマ

フォルクスワーゲン(VW)・ゴルフは、輸入車の中でも特に身近な存在です。初代モデルは1974年に登場して、日本には翌年から輸入されています。40年以上の実績があり、2021年に入ると8代目の輸入が開始されました。

新型ゴルフのボディサイズは、先代型と同程度で、全長が4295㎜、全幅は1790㎜、全高は1475㎜です。日本車でいえば、インプレッサスポーツやマツダ3に近い大きさですが、全長はゴルフが160㎜ほど短いです。最小回転半径も5.1mに収まるため、混雑した街中でも運転しやすいです。

その一方で4名が快適に乗車できる居住空間が備わり、リヤゲートを直立させたことで、荷室容量にも余裕があります。

全車メーターの位置にカーナビ情報が表示される

全車のインパネには、液晶メーターのデジタルコックピットプロが標準装着され、ステアリングホイールの奥側にカーナビ情報などを表示できます。衝突被害軽減ブレーキや車間距離を自動調節できるクルーズコントロールなども標準装着され、先進装備も充実しています。

 

《グレード構成と価格》排気量が2種類、全車マイルドハイブリッドに

エンジンは直列3気筒1Lターボと、直列4気筒1.5Lターボを用意しました。すべてのグレードに、48V方式のマイルドハイブリッドが搭載されています。モーター機能付き発電機が備わり、減速時を中心とした発電、アイドリングストップ後の再始動、エンジン駆動の支援を行います。アイドリングストップ後の再始動はベルトを介して行うため、スターターモーターのような金属音を発生させません。

グレード構成は、1LターボにはeTSIアクティブベーシック(291万6000円、すべて税込)とeTSIアクティブ(312万5000円)があります。1.5Lターボは、eTSIスタイル(370万5000円)とeTSI・Rライン(375万5000円)です。

基本的な安全装備と運転支援機能は、eTSIアクティブベーシックを含めて充実しています。eTSIアクティブになると、スマートエントリー&スタート、フルオートエアコンの運転席/助手席/後席の独立温度調節機能などが加わります。選べるメーカーオプションの種類も増えます。

eTSIスタイルでは、エンジンが直列4気筒1.5Lターボに拡大され、駐車時の衝突などを防ぐパークディスタンスコントロールなども追加されます。タイヤとアルミホイールのサイズも、16インチから17インチに拡大されます。

パークディスタンスコントロール

eTSI・Rラインはスポーティグレードだから、R専用サスペンション、操舵角に応じてギヤ比を変化させるプログレッシブステアリング、トップスポーツシートなどが標準装着されます。

 

《ベストな選び方と推奨グレード》街乗り中心ならeTSIアクティブがおすすめ

街中を中心とした使い方で、価格も安く抑えたいなら、直列3気筒1Lターボを搭載するeTSIアクティブがベストです。機能や装備の割に価格が割安です。

eTSIアクティブベーシックは、300万円を下まわる価格が魅力ですが、割安に装着できるオプションが限られます。従って推奨できません。

高速道路や登坂路を走る機会が多いユーザーには、直列4気筒1.5Lターボ搭載車を推奨します。eTSIスタイルの価格はeTSIアクティブに比べて58万円高いですが、エンジン排気量の拡大と併せて装備も充実させました。

装備の上級化を差し引くと、1気筒/500ccの増加によるエンジンの正味価格差は約42万円です。この金額は、日本車ではハイブリッドとノーマルエンジンの価格差に相当するので1.5Lターボは割高です。1Lターボを戦略的に安く抑えました。

それでも1.5Lターボの動力性能は、ノーマルエンジンでいえば2.5Lに匹敵するため、走りを重視する場合は選ぶ価値が高いです。4気筒だから、3気筒の1Lターボに比べると、アクセルペダルを踏み増した時のノイズも小さいです。

そして1.5Lターボでは、eTSI・Rラインが買い得です。eTSIスタイルに比べると5万円の価格上昇で、先に挙げたR専用サスペンションやプログレッシブステアリングを標準装着するためです。つまり用途や予算に応じて、1LターボならeTSIアクティブ、1.5LターボならeTSI・Rラインを選びましょう。

TSI Rライン

《おすすめオプション装備》豊富なパッケージオプション。テクノロジーパッケージは必須!

必ず装着したいのはテクノロジーパッケージです。eTSIアクティブのオプション価格は20万9000円で、ハイビーム状態を維持しながら対向車などの眩惑を抑えるLEDマトリックスヘッドライト、駐車支援システム、ヘッドアップディスプレイなど10種類の装備が加わります。

LEDマトリックスヘッドライト

eTSI・RラインとeTSIスタイルは、標準装着される装備が増えるため、テクノロジーパッケージには6種類の装備が含まれてオプション価格は16万5000円です。

ディスカバープロパッケージ(19万8000円)も注目のオプションです。インパネ中央のインフォテイメントシステムは全車に標準装着されますが、ディスカバープロパッケージを加えると、SSDナビゲーションシステムと地デジTV受信機能も加わります。

このほかeTSI・RラインとeTSIスタイルには、ラグジュアリーパッケージ(23万1000円)も用意され、電動パノラマスライディングルーフとハーマンカードンのプレミアムサウンドシステムがセットされます。

《納期はいつごろ?》半導体不足の影響で流動的

販売店では「半導体が不足している影響もあり、納期は分かりにくいです。現時点で7月上旬に注文を入れた場合、納車は早くて8月、遅ければ11月頃になります」と述べています。

(渡辺陽一郎)

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