ホンダのミニバンラインアップの中核がステップワゴン。1.5Lターボや2モーター式ハイブリッド、わくわくゲートなど、ライバルにはない個性を備えたホンダらしいモデルだが、そろそろモデルチェンジ。新型のデビューは、現在のところ2022年春となりそうだ。(編集部)
トヨタ・ヴォクシー/ノア、日産セレナと並んで、ミドルクラスミニバンの代表モデルがホンダ・ステップワゴンです。現行モデルは2015年発売の5代目で、登場から既に6年を経過。そろそろモデルチェンジの時期が迫ってきています。
一部では2021年度内?とも言われていたようですが、今のところその予定はなく、どうやら22年4月~5月となりそうです。少し先の話になりますが、ホンダに限らず新車の納期は、業界全体で長引く傾向になってきているので、買い替えを検討している人は早めに計画を立てておいた方がいいかもしれません。
オデッセイ後継として上級タイプ追加も?
【コンセプト・スタイル】
基本的なコンセプトや車格は大きく変わらないでしょう。ただし、上級のオデッセイが廃止されることから、その後継としての性格も求められ、3ナンバー・ワイドボディの上級タイプも加えられる可能性はあります。
また現在は標準モデルの人気がなく、売れ筋がスパーダに偏っていることも、全体の販売台数が伸び悩んでいる要因です。このためスタイルとしては、スパーダはキープコンセプトで進化、標準モデルは大きく変更することが予想されます。
【パワートレーン】
現行ステップワゴンが搭載するパワートレーンは、1.5Lターボのガソリンと、2Lエンジン+2モーター式ハイブリッド「e:HEV」の2タイプです。
新型もこのパターンは踏襲される可能性は高いです。ただし新型ヴェゼル同様、ガソリンは一部グレードのみに限られるかもしれません。現在、ホンダは電動化(ハイブリッド)比率の向上に注力していますので、新型ステップワゴンもハイブリッドメインのグレード構成となるのではないかと思われます。
ハイブリッドのシステムは、現行のものがキャリーオーバーされる可能性が高いです。走行性能と燃費性能を高いレベルで両立しているユニットですので、不満は少ないでしょう。
一方でガソリンはちょっと微妙です。現行の1.5Lターボは購入者からの評価は高いものの、このクラスは2LのNAが標準。2Lではないことで販売面で苦戦したということもあり、再び2Lに戻す可能性も考えられます。
【装備】
現行モデルの大きなアピールポイントは、縦にも横にも開く「わくわくゲート」の採用でしたが、残念なことに左右非対称という見た目もあって、敬遠される要因にもなってしまいました。
実際に使うと非常に便利なのですが、コストも余計にかかり、新型では採用が見送られる可能性が大です。ホンダの場合、鳴り物入りで採用した新装備や新機構も、あっさり廃止することは珍しくありません。
一方、ホンダセンシングは最新のものが搭載され、機能・精度ともに向上することは間違いありません。ただしその分、価格は少し高くなりそうです。
というわけで、現状ではまだまだ詳細が掴めていない新型ステップワゴンですが、モデルチェンジの時期が迫っているのは確実。ミニバントップの座を奪回すべく、大いに期待したいところです。(佐々木耕二)