M.Y.Sミスティック、創業当時からの経験とスキルで追求する〝安全・安心の車両造り〟

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山梨県甲斐市に本社を置くM.Y.Sミスティックは、「安全・安心な車両造り」を第一に掲げ、バンコンを除いた全てのモデルに高強度かつ軽量なアルミフレーム構造のシェルを採用すると共に、個性を際立たせた内外装デザインが特徴。中でも、同社を代表するキャブコンバージョン(キャブコン)のレジストロ、レジストロ・アウルは、可愛らしいスタイルに加えてウッド調で統一したインテリアが男女問わず人気のモデルとなっている。今回はオリジナリティあふれるモデルを数多く輩出するミスティックの取り組みについて代表の佐藤正社長にお聞きした。

■ミスティックの技術の象徴「アルミフレーム構造のキャンパーシェル」

創業30周年を迎えたミスティックは、1台1台を職人によるハンドメイド仕上げでトラックキャンパー(トラキャン)をはじめ、キャブコン、バンコンバージョン(バンコン)、軽キャンパーの充実したラインナップを展開する国内生産のキャンピングカー製造メーカーだ。

佐藤社長とレジストロ・アウル

代表の佐藤社長は「既存の価値にとらわれず、新しいことに挑戦してきたからこそ今がある」と語る。同社は、ピックアップトラックにキャンパーシェルを搭載するトラックキャンパー専門店として創業。当時はアメリカから輸入したシェルを日本仕様に改良して販売していたが、ユーザーから〝より日本仕様にして欲しい〟との要望が増え、日本に最適なキャンパーを作ることを目標に、シェル製作に踏み切った。

佐藤社長は「当時、シェルは木のフレームを使ったものが多かったが、より安全性が高く木に比べて重さは3分の2のアルミを使ってフレーム作りを始めた」と話す。

アルミフレームの導入初期は住宅の設計士が引いた図面をもとに製作していたが、「住宅ベースの設計図ではシェルが硬くなりすぎ、常に振動しているクルマの上ではシェル自体が損傷しやすくなってしまった」と佐藤社長。

そこで、佐藤社長自らが図面を引き、万が一の際には内部をしっかり守れる強度とクルマの振動に耐える柔軟性のバランスにこだわり開発が進められた。

その結果生まれたこのアルミフレーム構造により、高い安全性と軽量化を両立。現在ではボディをそのまま活用するバンコンを除いて全モデルに採用され、同社を象徴する特徴のひとつになっている。

堅牢性と軽量化を両立したアルミフレーム

■トラキャンのノウハウを活かした車両造り

トラキャン専門店として転機を迎えたのは、トヨタ・ハイラックスや日産・ダットサン等、ベース車両として利用していたピックアップトラックが市場から消えた平成15年頃。しかし、これを機にトラキャン専門店として培った技術力の高さでバンコンや軽キャンパー、キャブコンを製作、ラインナップを急速に拡大する。

佐藤社長は「キャブコンや軽キャンパーの基本的な作り方は、トラキャンと同じでベース車両の荷台にシェルを積載する。カムロードのように荷台がないものは鉄骨を組んで荷台を作っている」とトラキャン作りのノウハウを応用したと語った。

キャブコンを製作する時は荷台を降ろすのが一般的だが、あえて残すことでラダーフレームのような堅牢性とマフラーからの熱が上がってこないというメリットがあり、これも同社が掲げる〝安全・安心な車両造り〟に繋がっているといえるだろう。 

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