スタイリッシュなデザインと多用途な使い勝手が魅力のSUV。先日紹介した国産SUVと同様に、輸入車でも3列シートを備えたSUVが増えてきた。ここでは、いま国内で購入できる輸入車SUVをピックアップして紹介する。
■メルセデス・ベンツ GLB/GLE/GLS
エントリーからフラッグシップまで、近年SUVのラインナップが急拡大しているメルセデス。この中でも、3列シートを備えているのがGLB、GLE、GLSの3モデルだ。
GLBのボディサイズは全長4650mm×全幅1845mm×全高1700mmで、国産SUVではトヨタ・RAV4、日産・エクストレイル、ホンダ・CR-Vとほぼ同じレベル。3列目シートが備わっているものの、インポーターが「乗車時の安全確保のため、身長168cm以下の乗員のみが使用できます」とアナウンスするように、座面も小さく、160cm台前半の人であっても長距離の移動には不向き。あくまでも緊急用としての割り切りが求められる。
GLE、GLSの3列目シートは、GLBのように身長などの制限はないものの、スペースは必要最低限というレベル。シートの格納は電動で行われ、いずれも床下格納で広い荷室として使うこともできるが、ボディサイズは全長が約5m、全幅が約2mと、国内で扱うには気を使う大きさになっている。
【車両価格※AMG除く】GLB=532万円~704万円/GLE=964万円~1183万円/GLS=1277万円~1687万円
■BMW・X5/X7
BMWは、X5とX7に3列シートを設定し、X5は約30万円でオプション装備することが可能。ただ、170cmの人が座ると体育座りに近い着座姿勢となり、長距離の移動には向かず、補助席的な使い方に留まる。
全長5.1mあるX7の3列目シートは、X5に比べると実用的。170cmの人が座っても窮屈な姿勢にならず、2列目がキャプテンシートのタイプであればウォークスルーも可能になっている。3列目は床下に格納できフルフラットになるので、使わない時は広い荷室としても活用できそうだ。
【車両価格】X5=945万円~1361万円/X7=1114万円~1623万円
■アウディ・Q7
アウディのSUVでは、Q7に唯一3列目シートを34万円のオプションで設定。シートの操作は電動となっていて、床下に左右分割可倒できるので、2列目も合わせて倒すと広大な荷室になる。ただ、3列目の居住性は広々というわけではないので、あくまでも非常用という位置づけになるだとう。
【車両価格】947万円~1020万円
■プジョー・5008
5008はプジョー最上級SUVに位置づけられ、3列シートは標準装備される。3列目シートは座面・背面ともに短く、空間にもゆとりがないので大人が座るには窮屈と言わざるを得ないスペースとなっている。3列目を倒すと702Lの荷室となるので、大容量トランクを持つ5名乗車のSUVという使い方が適しており、今回紹介するモデルの中では一番安価になっていることもポイントだ。
【車両価格】460万円~501万6000円
■ボルボ・XC90
新世代モデル第一弾としてデビューした現行XC90は、ボルボで唯一の3列シート装備モデル。5mに迫る全長と1.9mを超える全幅を持つボディサイズを持ち、3列目の居住性も大人が無理なく座れるレベルを実現している。エアコン送風口やカップホルダーも備わり、シートは床下に格納できるので、荷室としての使いやすさにも配慮されている。
【車両価格】834万円~1139万円
■ランドローバー・ディスカバリー/ディフェンダー/レンジローバースポーツ
四輪駆動車に特化したラインナップを揃え、圧倒的な悪路走破性やラグジュアリーなデザインが支持を集めているランドローバー。ディスカバリー、ディスカバリースポーツ、ディフェンダー、レンジローバースポーツの4モデルに、3列シートがオプションなどで設定することが可能だ。
ディフェンダーは、110にオプションで3列目シートを装備できるが、大人が長時間座って移動するには狭く、あくまでも非常用と割り切った使い方が求められる。とは言え、3列目にもエアコンの送風口やUSBポートが設けられ、アルパインライトによって外からの視界も確保されており、3列目の居住性や快適性は疎かにはされていない。
ディスカバリーは、現行型からボディサイズが拡大され、レッグルームは3列目も851mmを確保されるなど、居住性を高めている。
【車両価格】ディスカバリー=780万円~978万円/ディスカバリースポーツ=473万円~697万円/ディフェンダー=529万円~738万円/レンジローバースポーツ=936万円~1723万円
このほかにも、テスラ・モデルや、キャデラック・新型エスカレードにも3列シートが設定されている。また、海外で先立った発表されたジープ・グランドチェロキーには、歴代で初の3列シートが設定されており、日本への導入も期待されるところだ