4月21日から一般公開された上海モーターショーで、日産は新型エクストレイルを発表しました。もちろん今回公開されたのは中国仕様なので、今年後半に登場が噂されている日本仕様とは異なる部分もありそうですが、大よその全体像はほぼ同じになるかと思われます。
ということで、今回はこの中国仕様のエクストレイルと、先行して昨秋より販売が開始されているエクストレイルの北米版「ローグ」から、新型エクストレイルを予想してみましょう。
新型エクストレイルのスタイル・ボディサイズ
まずはボディサイズからチェックしてみましょう。中国仕様の細かいスペックは未発表なので、北米ローグの数値になりますが全長は4648mm×全幅1820mm×全高1740mm、ホイールベースは2705mmです。
現行エクストレイルのサイズと比べて見ると全長は42mm短く、全幅は19mm拡大、全高は51mm低くなり、ホイールベースは同一。全幅は若干大きくなりますが、ほぼ同程度のサイズです。これなら取り回しの面では安心できますね。
エクステリアのデザインは、サイドとリヤの基調はあまり変わりませんが、フロント周りの印象が大きく違います。新型ではVモーショングリルが大きくなり、2段のヘッドライトを装着、厚みも増して重厚な印象です。エクストレイルは初代から続く軽快な「ギア感」が一つの特徴でしたが、新型では上級移行といった感じです。
インパネ周りはスッキリ
室内はインパネ周りの印象が大きく変わりました。シフトは新型ノートに似た形状となり、バイワイヤ式となります。ダイヤル式の大きなモードセレクターも備えられ、操作性は良さそうです。
インパネ全体の配置としてはオーソドックスで奇をてらった印象はありません。直線基調で整然とまとめられておりクリーンな感じです。メーターパネルは大型ディスプレイとなり、ナビ画面も上方に配置。最新モデルらしくスッキリとまとめられています。
ただ温度調整を除くエアコンの操作系などは、写真で見る限りは小さくフラットにまとめられているので、大型ボタンの現行型の方が操作性は良さそうにも見えます。ここは今後、実際に確認したい部分です。
シート等居住空間はホイールベースの数値を見る限りは、ほぼ同等となりそうです。ただローグでは後席ドアの開口が大きいことをアピールしていますから、乗降性は向上していそうですね。
VCターボ採用のe-POWERを搭載?
現行モデルからの大きな変更点がパワートレーンになると予想されています。北米ローグは2.5L直噴エンジンを搭載していますが、中国仕様エクストレルは可変圧縮比エンジン「VCターボ」を搭載します。
この「VCターボ」エンジンは、2L仕様が既にインフィニティQXなどに搭載されていますが、中国仕様の新型エクストレルは排気量を1.5Lとしたものが搭載されると予想されています。
では日本ではどうかというと、この1.5LのVCターボにモーターを組み合わせた新型のe-POWERが搭載されることが予想されます。現行モデルでは2Lガソリンエンジンと、2L+モーターのハイブリッドの2本立てでしたが、最近の日産の方針から見て、どちらも廃止される可能性が高いです。キックス、新型ノートに続くe-POWER専用車第3弾となることが予想されます。
日本での発売は?
日本では早ければ9月頃の発表発売が予想されますが、半導体不足の影響などもあって全体のスケジュールが遅れがちですので、実際の発売は少し遅れ、年内から年初になるかもしれません。
気になるのは価格ですが、ガソリン車が廃止となれば現行モデルより少し高くなり、400万円台からのスタートになることが予想されます。あれこれ欲しいオプションを付けていくと400万円後半~500万円台になりそうですね。
となるとライバルも1クラス上がり、トヨタのハリアーやRAV4PHV等となりそうです。このあたりは実際に発売されてみないとわかりませんが、上級SUVの中で存在感を示せるか、大いに注目されるところです。(佐々木耕二)