「有山勝利 の視軸」交通事故死 昨年過去最少、75歳以上は要注意を

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警察庁によれば、2019年1年間で75歳以上の運転者が起こした、過失が最重の第一当事者となった交通事故は401件(前年同期比59件減)だった。免許保有者10万人当たりでも6・9件と前年の8・2件から減少を見せたが、75未満の3・1件と比べればその数字は2倍を超えている。クルマやバイクによる交通死亡事故の14・4%を占めており、依然深刻な状態が続いている。

高齢ドライバーをめぐっては、昨年4月、東京・池袋で母子が死亡した事故は、遺族の署名嘆願運動まで起きる等、大きな話題となった。

警察庁では道路交通法を改正して一定の違反歴のある高齢者に対し、免許更新時に「運転技能調査」の義務付けを目指す他、衝突被害軽減ブレーキを備える安全運転サポート車(サポカー)が条件の限定免許の導入方針を固める等、対策強化を急いでいる。

75歳以上のドライバーが第一当事者になった交通死亡事故を事故類型別に見ると、電柱や標識等に衝突する「工作物衝突」が77件、「出会い頭」が67件、「正面衝突」が60件、道路外にはみ出す「路外逸脱」が55件であった。

自動車による死亡事故(358件)の原因は、ハンドル操作の誤りやブレーキとアクセルペダルの踏み間違い等の「操作の誤り」(107件)が最多で30%を占めた。75歳未満の運転者と比べて高い水準が見られる。

死亡事故全体の件数では昨年は2780件で10年前に比べ約1600件減っている。

交通事故全体の発生件数は38万1237件で死亡事故件数は3133件、いずれも前年より減少しており、死者数は統計のある1948年以降で最少であった。

一方、走行中の車両に極端に近づく「あおり運転」等に適用される道路交通法の「車間距離保持義務違反」は昨年の取り締まり件数は全国で1万5065件(前年比2040件増)、3年間で2・1倍に増えている。公安委員会が運転者を免許停止の行政処分としたのは、過去最多の52件だった。

 

有山勝利プロフィール
1937年生まれ。1960年に総合輸入車ディーラーに入社、そのまま定年まで殆ど広報作業に従事、依頼により1966年より、ブリヂストン・タイヤニュース、週刊大衆に連載執筆、筆名に有川 浩を使用、月刊自家用車、報知新聞、日刊スポーツ、スポーツニッポン、ディリースポーツ、マイカー情報(札幌)、くるまにあ にも連載、単発は無数。媒体側と広報担当の双方と交友、互助の功を上げた。

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