営業スタッフに聞く新型ヴェゼルの人気グレード

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4月23日の発売までに約1万7000台の予約受注を獲得するなど、好調なスタートを切った新型ヴェゼル。現在激戦区となっているコンパクトSUV市場をリードしてきたモデルだけに、まずは期待通りの立ち上がりといえそうだ。では実際、どのグレードが人気なのか、首都圏の販売店に聞いてみた。(編集部)

 

全国では「e:HEV Z」が全体の7割

新型ヴェゼルの特徴の一つがグレード構成だ。ハイブリッドが3、ガソリンが1グレードで、ハイブリッドが主体の構成となっている。2020年のホンダのハイブリッド比率(登録車)は55%で国産メーカーの中ではトヨタを上回ってトップだが、さらにこの比率を押し上げ、電動化を加速させたいということが、このグレード構成を見てもよくわかる。

一方、新型ヴェゼルのグレード構成はシンプルだ。必要な装備を備えたベーシックグレードがハイブリッドの「e:HEV X」とガソリンの「G」、快適装備を充実させた上級が「e:HEV Z」、そして個性にこだわった「e:HEV PLaY」という構成になる。駆動方式は「PLaY」はFFのみ、その他はすべてFFと4WDを設定している。

本田技研工業・商品企画部の池田氏によれば、全国の事前受注の内訳は、4月上旬の段階で「e:HEV Z」が7割弱、「e:HEV PLaY」が2割弱、ガソリンの「G」が1割で、「e:HEV X」は少ない、とのこと。「新型ヴェゼルに限らず、新型車の発売直後は上級グレードに人気が集まることが多いので、これは想定通りです」と池田氏。ハイブリッドのベーシックモデル「e:HEV X」は今のところ非常に少ないが、初期受注が落ち着いた段階では3割程度になると想定しているそうだ。

なお4WDの比率は、今のところ3割弱、とのこと。先代ヴェゼルでは2割弱だったというから、新型ではやや上昇している。新型ではハイブリッドの4WDシステムも刷新、大きく性能を向上させているので、今後はさらに4WD比率を向上させていきたいとしている。

首都圏では「e:HEV PLaY」が大人気

続いて首都圏のホンダ販売店で状況を聞いたみた。予約受注開始とともに好調な立ち上がりとなっているのは全国と同じだ。

ただ内訳はかなり異なっている。3月の段階では「PLaY」が5割、「Z」が3割、「X」が1割、「G」が1割、4月に入ってからは「PLaY」が4割、「Z」が4割、「X」1割、「G」1割という状況。「G」や「X」が今のところ少ないのは全国同様だが、「PLaY」の人気の高さが突出し、全国以上となっている。もともと「PLaY」は都会での走りを楽しむ個性派グレードという設定だけに、首都圏での高い人気は狙い通りともいえそうだ。

しかし、「PLaY」はそれほど売れると想定していなかったことに加えて半導体不足の影響もあり、3月後半時点で「PLaY」の納期は12月後半、4月23日の発売以降では来年4月。実に納車まで1年待ちという状況だ。正式発売以降、さらに来店客が多くなったというが、この納期の長さがネックとなって、商談即決となるケースは少ないという。

そのため店舗では納期が早い「Z」を提案しているが、パノラマルーフが装着されるのは「PLaY」のみ、さらに専用の内外装となれば、なかなか難しいところ。納期と装備、どちらを取るか悩ましい状況がしばらく続きそうである

大人気の「e:HEV PLaY」。すでに1年待ちだ
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