【河村康彦 試乗チェック】プジョー・リフター

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機能性に優れるミニバンとSUVのクロスオーバー

日本の常識では、リヤに手動式スライドドアを装備するという時点で商用車イメージを抱く人も皆無ではなさそう。が、インポーターのグループPSAジャパンでは、「ミニバンとSUVのクロスオーバー」とそのキャラクターを紹介するのが、2018年に誕生し2019年末から日本でも販売されているプジョー・リフターだ。

シトロエン・ベルランゴとランニング・コンポーネンツを共有するこのモデルが日本で搭載するのは、1.5リッターのターボ付き4気筒ディーゼル・エンジン+8速ステップATの組み合わせ。前輪駆動方式のみではあるものの、トラクションとブレーキを協調制御する”アドバンスドグリップコントロール”や、低ミューの急な下り坂でも安定性を確保する”ヒルディセントコントロール”が標準装備。最低地上高も180㎜と大き目に確保されるなど、ある程度のラフロード踏破力が意識されていることが伺える。

ラフロードの踏破性を高めるデバイスを装備

ダッシュボードの高い位置にクラスターが置かれ、中のメーターは小径ステアリングホイールの上側から読み取る、というプジョー車が好んで用いる”i-コクピット”はこのモデルも採用。ただし、ステアリング・ポストが立ち気味でペダル類は上から踏み下ろす着座姿勢ゆえ、ドライビング・ポジションに少々の違和感は拭えない。

後席使用時で597リッター、リヤシートのアレンジ時には最大で2126リッター(!)という広大なラゲッジスペースが、まずはこのモデルの真骨頂なのは言わずもがな。なんでもかんでもバンバンと積み込み、多少のラフロードもものともせず目的のバカンス地へ、という使い方こそ、確かにお似合いのシーンかも知れない。

実に広大なラゲッジスペース

なみにそんなこのモデル、”走り、曲がり、止まる”という性能は「思いのほかにまっとう」という実力。天井部分にまで多くの収納部を設けるなど、見た目重視のSUVとは一線を画した機能性の追求が、「他のモデルには目もくれない」という独自のファンを生み出す秘密なのかも知れない。

(河村 康彦)

〈車両本体価格:339万円~361万円〉

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