昔はキャデラック八座席リムジンやジャガーMK-Ⅶなど、昭和30年代初頭から乗り継いで、小生最後の登録車は、小さな高級車と呼ばれたトヨタのプログレだった…そして軽自動車に乗り換えた。
当時82才、終の棲家、いやツイの車として選んだのは、当時最良と思ったムーブのカスタムターボだった。スタイル・性能・装備全て満足だったが、一つ気に入らなかったのが乗り心地の硬さ。大枚10万円でインチダウンしても期待したほどではなく、そんなところに登場したのが三菱eKシリーズだった。
年寄りはせっかち…早速eKクロスを買ったのは良いが、周りのうるさい連中が「年寄りの冷や水」と馬鹿にする。要は、ウッカリミス連発で近頃免許返上の機運旺盛なのに、時流に逆らって86才が新車を買ったからというのだ。
ターボの硬足に懲りて今度はノンターボNAにしたが、ここ数年の技術進歩は著しく、近頃の軽ターボは皆乗り心地が良いので少々反省はしているが、少しだがNAの乗心地が柔らかいので納得している。
eKもクロスはアオリ顔…これも顰蹙（ひんしゅく）の種だが、存在感ある方がぶつけられない、同様に塗色では白と黄が被害が少ない。修理工場から始まった長年の経験から、夏炎天下の駐車で屋根が白と黒とでは室内温度上昇に10度の差があるのも､色選びの理由。
嬉しかった予想外は、オーディオの音の良さ。ムーブも軽では最上と満足だったが、低音が効いたeKの音質は更に上回る…もっとも、最上級NAVIに付随しているのだろうが。
eKの納車日、お別れのムーブと並べて、東日本三菱販売目黒店で記念写真を撮ってくれたが、両車ナンバー13は、よく質問を受けるので説明しておこう…気学に精通した叔母に「貴方のラッキーナンバーは13」と云われたのが始まりである。
1966年ロンド場末のバーで「良く当たる」というジプシー占いの老婆に「名前を」と云われローマ字で綴ると「13が貴方のラッキーナンバー」だと云う…叔母の13の時は少々半信半疑だったが、クリスチャンの英国人が云う13と合致したのだから信じるべきと、以後13をラッキーナンバーと信じ込んでいる。
車屋四六：1960年頃よりモーターマガジン誌で執筆開始。若年時代は試乗記、近頃は昔の車や飛行機など古道具屋的支離滅裂記事の作者。車、飛行機、その他諸々古い写真と資料多数あり。趣味はゴルフと時計。<資格>元JAFスポーツ資格審査委員・公認審判員計時一級・A級ライセンス・自家用操縦士・小型船舶一級・潜水士等。著書「進駐軍時代と車たち」「懐かしの車アルバム」等々。
