【河村康彦 試乗チェック】ルノー・メガーヌR.S.

all 自動車 試乗レポート

FFモデルでありながら300PSのパワーを無駄なく使い切っていると実感

本国フランスを筆頭に、欧州では「比較的コンパクトな実用モデル」をメインに取り揃えるルノー車のラインナップ。しかし、そうした中からいかにも”玄人受け”をしそうなモデルを選抜し、クルマ好きを唸らせてくれるのが、日本でのこのブランドのラインナップでもある。

メガーヌR.S.シリーズは、まさにそうしたモデルの筆頭株。今回紹介するのは走りの水準を引き上げる様々なリファインが加えられ、今年1月末から日本に導入されている最新バージョンだ。

テストドライブを行ったのは、3タイプが用意されるシリーズ中で最もベーシックなモデル。ちなみに、残り2タイプはよりサーキット走行にフォーカスをした“トロフィー”のサブネームが与えられる仕様だが、今回は標準仕様に搭載されるエンジンがパワーアップをされて、トロフィーと同じ300PSの最高出力を発揮することになったのが、ひとつの大きなトピック。アクティブ・バルブ付きのスポーツエキゾーストや、ナパレザー/アルカンターラを用いたステアリング・ホイールが新採用されたのも、今回のこのモデルでの注目メニューとなっている。

トロフィー仕様と同じ300PSとなった

サスペンションは、”トロフィー”よりもロードユースに重きをおいたセッティング。245/35という薄くスポーティなタイヤを履くこともあり、路面への当たりはさすがに硬いものの、脚の動きそのものはびっくりするほどしなやか。実は「望外に乗り心地が良い!」というのが、走り初めての第一印象でもあった。

一方、走りのペースを上げて行ってもステアリングの効きは正確で、シャープでありながら安定感も高いのは、標準装備の4WSシステム”4コントロール”の貢献も、もちろん大いにあるはず。

かくして、FFモデルでありながら300PSのパワーを無駄なく使い切っていると実感。464万円という価格が「リーズナブル」と思える秀作スポーツモデルなのである。(河村 康彦)

〈車両本体価格:464万円~504万円〉

Tagged