パイオニア、MEMSミラーを採用したソリッドステートタイプ「3D-LiDAR」中距離タイプの量産を開始

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パイオニアは、同社の連結子会社であるパイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社(以下、PSSI)が、3D-LiDAR 「1st Model」の中距離タイプ(Medium Range)の量産を2021年1月中旬より開始したと発表した。

 

パイオニア製の3D-LiDAR「1st Model」は、長年にわたりパイオニアが培ってきた光ディスクプレーヤーなどのレーザー関連技術やカーナビゲーションをはじめとする車載製品の開発・製造ノウハウと、キヤノンが保有する光学レンズ技術を融合し、高性能かつコンパクトなサイズを実現した。MEMSミラー(微小電気機械システム)と同軸光学系方式を採用したソリッドステートタイプで、高速スキャニングによる高精細な点群データの取得が可能で、障害物などを高い精度で検知することができる。

 

今回量産を開始する中距離タイプは120 m先の対象物まで検出できるため、路側の固定設備などへ設置することで、より遠方の障害物や異物、侵入者を検出するモニタリング、セキュリティ用途などでの活用が可能なほか、車載においては前方かつ遠方の障害物検知に加え、既発売の「1st Model」近距離タイプ(Short Range)と組み合わせることで車両周囲の検知も可能になるなど、多様なニーズに合わせて活用できる。

 

さらに、ハードウェア(3D-LiDAR)とともに開発している「ノイズ除去」「物体検知・認識・トラッキング」などのソフトウェアと組み合わせ、「物体検知・認識・トラッキング」「3次元データ生成・変化点抽出」ソリューションとしての提供も可能となっている。

 

PSSIは、3D-LiDARのラインアップを充実させるとともに、ソフトウェアと組み合わせたソリューションを提案することで、より安全・安心な社会の実現に貢献していくと述べている。

 

<中距離タイプ「SSL-M01」の主な特長>

  1. 近距離タイプ「SSL-S01」に対して約2倍の検出距離を実現
  2. MEMSミラーを採用したソリッドステートタイプで小型化を実現
  3. 高速スキャンで高密度・高精細な点群データの取得が可能
  4. 独自のソフトウェアとの組み合わせにより、高精度な物体検知・認識が可能
  5. 国内生産ならではの高品質

 

<活用事例>

◆セキュリティ/モニタリング用途

  • 路側設置による交通状況監視、高速道路での合流支援
  • 商業施設などにおける侵入者検出

◆車載用途<自動運転/ADAS向け)

  • 車両前方かつ遠方の障害物検知
  • 近距離タイプ(Short Range)との組み合わせによる車両周囲検知(右左折、直進時の危険回避用)
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