トヨタとLIXIL、移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」を共同開発 車いす使用者の外出の可能性を拡大

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トヨタ自動車とLIXILは11月13日、車いす使用者が外出先で安心して使える移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」を共同開発したと発表した。なお、2020年11月21日(土)・11月22日(日)に横浜市北仲通地区で行われる「横浜北仲フェス」で横浜市役所敷地内に設置し、実際に使用される予定だという。

 

移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」は、近年、公共施設では車いす使用者を含めたさまざまな身体状況の人が利用できる多機能トイレの整備が進んでいるが、未だ十分とは言えない現状の問題に対し、モビリティカンパニーを目指すトヨタとトイレやバリアフリーに知見をもつLIXILの両者の強みを生かして開発した。快適・衛生的な多機能トイレを車両に搭載し、けん引により自由に移動して設置することで、各種イベント参加やスポーツ観戦など、車いす使用者の外出の可能性を広げる。

 

開発にあたっては、パラアスリートや福祉工学の専門家、被災経験のある自治体関係者、さまざまな理由で車いすを使用することになった人々にヒアリングを実施。車両の前後方には遠くから認識できるよう大きな多機能トイレマークを配置し、超低床車体の設計によって、出入口への動線はなだらかなスロープを実現している。車内は車いすが回転しやすい空間を確保し、手すりの備わった大便器など車いす使用者にとって必要な機能を兼ね備えている。また、多目的に使えるユニバーサルシート(大型ベッド)や車いす使用者がより快適にトイレを利用するために、自分で衣服を整えたり介助者が待機できる前室を用意している。

 

 

両社は、今後はモバイルトイレをさまざまなイベントの場などに出展し、車いす使用者や介護者からの声を参考に、車体の改善を実施。障がいの有無にかかわらず、誰もが行きたい場所に行き、やりたいことに挑戦できる社会の実現に貢献していくと述べている。

 

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