ボルボ・カー・ジャパンは、ステーションワゴン「V90」とクロスオーバー「V90 Cross Country」の内外装デザインと装備レベルを一部変更するとともに、パワートレーンに48Vハイブリッドを導入することで全車電動化を図り、10月21日より発売した。
＜パワートレーンを一新＞
パワートレーンでは、従来の「D4」「T5」「T6」パワートレーンに代えて、新たに48Vハイブリッドモデル「B5」「B6」と、V90にプラグインハイブリッドモデル「Recharge Plug-in hybrid T8」を設定した。
＜48Bハイブリッドパワートレーン「B5」＞
ISGM（インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モジュール）による回生ブレーキで発電した電力を48Vリチウムイオンバッテリーに蓄電し、エンジンの始動や動力補助を行うハイブリッドシステムを搭載。ISGMはバッテリーモジュールへの充電、エンジンの始動、車両出力補助ならびに制動に使用される。また、スターターモーターに代わりISGMによりエンジンの始動を行い、アイドリングストップ後の再始動時におけるノイズやバイブレーションの大幅な低減や、より上質感のある走行性能を実現した。
搭載される新世代パワートレーンDrive-E （ドライブイー）の 第3世代となる4気筒2L ガソリンエンジンは、約90％のパーツが新設計され高効率と高い環境性能、コンパクトなデザインを実現し、新世代ボディ構造とともに、高いレベルの衝突安全性能を達成。シリンダーの表面処理の改良など、エンジン内部の摩擦 （フリクション） 低減を図るとともに、気筒休止システムを導入したことで、一定条件を満たした状態での2気筒走行が可能となり燃費が向上した。
＜電動スーパーチャージャー搭載48Vハイブリッドパワートレーン「B6」＞
B6パワートレーンは、B5パワートレーンをベースに、ターボチャージャーに加え、低回転域でのレスポンスに優れる電動スーパーチャージャーを装着することで、220kW（300ps）、420Nm（42.8kgm）を発生する高性能パワートレーン。
＜プラグインハイブリッドモデル「Recharge Plug-in hybrid T8」＞ ※V90に設定
Recharge Plug-in hybrid T8は、ボルボの中大型車向けプラットフォームSPAをベースとしたプラグインハイブリッドモデル。新しく命名されたRecharge （リチャージ）は、「外部充電可能」という意味から今後導入される電気自動車（BEV）とプラグインハイブリッド車の呼称として使用され、電動化を推進するボルボ・カーズを象徴する位置づけとなる。233kW（318ps）／400Nm（40.8kgm）を発生するDrive-E2.0リッター4気筒スーパーチャージャー付き直噴ターボエンジンと65kW（87ps）240Nmを発揮する電気モーターをリアに配置している。通常の「Hybridモード」に加え、電動モーターだけで駆動する「Pureモード」ではEV走行のみによるゼロエミッション走行が可能で、プラグインレンジは42.1km。またエンジンとモーターの2つのパワーソースを最大限に活用する「Powerモード」も選択することが可能。
＜内外装デザイン、装備の一部を変更＞
2017年のデビュー以来初めてとなる内外装デザインと、装備の一部変更を実施した。
◆エクステリア
フロント･グリル､フロント･バンパー、リアバンパー、アルミホイールに新デザインを採用し、リアランプのデザインを変更して、ウィンカーをシーケンシャルタイプにした。
◆インテリア
「CleanZone – アドバンスト･エア・クオリティ・システム（PM2.5センサー、車内自動換気機能付）」を標準装備した。車内から微粒子状物質を除去することでPM 2.5粒子を最大95％車外に排出することが可能となり、これにより車内のエアクオリティが最適化され、大気汚染や微粒子による健康への悪影響を抑制する。また、｢ワイヤレス・スマートフォン・チャージ｣を標準装備（Recharge Plug-in hybrid T8 AWD Inscription除く）したほか、オプションのB&Wプレミアムサウンド・オーディオシステムがアップグレードされ音場再現性を向上し、新たに“Jazz Club”モードが追加採用された。
＜V90にR-Designを設定＞
R-Designは「洗練さ（Refinement）」の「R」を軸とした専用装備と、スポーツサスペンションによる洗練された走りによる、通常モデルと差別化したグレードとなる。今回V90のB6パワートレーン搭載モデルに R-Designを設定。メッキ類のグロッシーブラック仕上げや20インチ専用アルミホイールをはじめ、専用スポーツシートや、本革／シルクメタル・スポーツステアリングホイール等R-Design専用の内外装に専用スポーツサスペンションを装備した。
＜180km／h最高速度制限およびケア・キーの導入＞
今回新たに、180km／hの最高速度制限とケア・キー（搭載されるキー2本のうち1本がケア・キーとなります）を導入した。ボルボでは、今後は技術面だけではなくドライバーの行動面にも焦点をあて、新しいボルボ車に搭乗中における死亡者や重傷者をゼロにすることを目指しており、自動車の速度超過が死亡重症事故の大きな原因の一つであることから、すべてのボルボ車の最高速度を時速180キロに制限した。またケア・キーを使用することによって、運転経験の浅い10代の若者や、高齢者が運転する時、他人に貸し出す際などに、予めクルマの最高速度を任意より低い速度に制限しておくことが可能となっている。
＜充実の先進安全および運転支援機能を全車標準装備＞
先進の安全・運転支援機能「対向車対応機能」や「歩行者・サイクリスト検知機能」、「インターセクション・サポート（右折時対向車検知機能）」などを備える「City Safety（衝突回避・被害軽減ブレーキ・システム）」をはじめ、「全車速追従機能付ACC（アダプティブ・クルーズ・コントロール）」、「パイロット・アシスト（車線維持支援機能）」、「ステアリングアシスト付BLIS（ブラインドスポット・インフォメーション･システム）」、「衝突回避・被害軽減ブレーキ機能付CTA（クロス・トラフィック・アラート）」、「ランオフロード・ミティゲーション（道路逸脱回避機能）」、「オンカミング・レーン・ミティゲーション（対向車線衝突回避支援機能）」などを全車に標準装備した。さらに、新車一般保証を従来の3年間走行距離無制限から5年間走行距離無制限に延長した。
＜価格（消費税込）＞
- V90：714万円～1,041万円
- V90 Cross Country：744万円～904万円
