アストンマーティンは、第88回ル・マン24時間レースにおいて、アレックス・リン/マキシム・マルタン/ハリー・ティンクネル組の97号車がGTE Proクラスで優勝し、GTE AmクラスではTF Sportが勝利を収め、ダブル・クラス優勝を果たした。今回の勝利により、あと1戦を残した状態でランキング2位との差を大きく広げ、FIA世界耐久選手権(WEC)のマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得した。
ワークスドライバーのアレックス・リン(英国)、マキシム・マルタン(ベルギー)、過去にル・マンでクラス優勝の経験があるハリー・ティンクネル(英国)が97号車のVantage GTEを駆り、24時間にわたってワークスチームのフェラーリとバトルを展開し、最終的に勝利を収めた。
TF SportからVantage GTEで参戦したジョニー・アダム(英国)/チャーリー・イーストウッド(英国)/サリフ・ヨロック(トルコ)組は、GTE Amクラスで優勝し、ドライバーズ・ランキング1位の状態で、バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される最終戦に臨む。なおTF Sportは、Vantage GTEでル・マンを制した最初のプライベート・チームとなる。
ニッキー・ティーム(デンマーク)、マルコ・ソーレンセン(デンマーク)に、リチャード・ウエストブルック(英国)が加わった95号車は、GTE Proクラスで3位となり、GTE Proクラスのドライバーズ・ランキングで、チームメイトのアレックス・リンとマキシム・マルタンに15ポイントの差をつけてトップの座をキープした。
今回のレースでダブル表彰台を獲得したことにより、アストンマーティンはWECのマニュファクチャラーズ・タイトルを初獲得。2位のポルシェとの差は76ポイント、3位のフェラーリとの差は97ポイントとなる。
2020年のル・マン24時間レースにおいて、GTクラスで優勝したアストンマーティンの97号車は、13.8kmのコースを346周した。GTEクラスの最速ラップを記録したのはアレックス・リンで、タイムは3分50秒321。アストンマーティン・レーシング・ドライバーの中で、もっとも長い時間ステアリングを握っていたのは、ニッキー・ティーム(10時間2分35秒)となった。
今回の優勝に際し、アストンマーティン最高経営責任者(CEO)のトビアス・ムアース氏は、「この偉大な勝利を成し遂げた、すべての人々を大変誇りに思います。両方のGTEクラスで優勝し、WECマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得できたことは、チームの献身的な作業、Vantage GTEの高い戦闘力に加え、このレースカーのベースとなった市販モデルのVantageの優れた品質を証明するものです。」 と語った。