キャデラック、ブランド初のEV「リリック」を世界初公開

自動車 新技術

キャデラックは8月7日、電気自動車のラグジュアリークロスオーバー「リリック」を発表した。
このモデルは、GM(ゼネラルモーターズ)の次世代EV用モジュール式プラットフォームをベースに、アルティウム駆動システムを搭載。様々な航続距離と性能の選択肢を提供できるようになっている。リリックは社内テストに基づき、フル充電で300マイル(約483㎞)以上の距離を走行するように設計されている。

■パフォーマンスの向上
新型モジュール式EVプラットフォームにより、従来の車両構造に電気駆動システムを搭載させる際の多くの制約をなくし、より長い走行距離、魅力あるドライビングエクスペリエンス、そして乗員スペースに新たな価値を提供している。バッテリーパックの配置により低重心化の実現と、50:50に近い重量配分となりスポーティでレスポンスの良い、軽快な走りを可能にした。

駆動方式は、基本後輪駆動だがAWDもオプションで設定される。AWDはモーターを車両後部に配置することで、重量配分と俊敏性をさらに高めている。このパフォーマンスAWD搭載モデルは、車両前部にセカンドドライブユニットを配置することで、チューニングの柔軟性を大幅に高め、車両のパフォーマンスを向上させることを可能にした。

■最新型アルティウムバッテリーシステム
搭載される新型アルティウムバッテリーシステムは、約100kWhのエネルギーを供給し刺激的なパフォーマンスを実現する。バッテリーに採用した最先端のNCMA(ニッケル-コバルト-マンガン-アルミニウム)化合物は、正極にアルミニウムを使用し、コバルト等のレアアース素材の使用を低減。現在のGMバッテリーと比較してコバルト含有量を70%以上削減した。

■完全に統合されたテクノロジー
最新技術により「リリック」のドライバーや乗員とのパートナーシップは、より直感的で満足感を得られるものになっている。例えば、ドライバーが近づくと「リリック」はドライバーを認識し、照明を使ったアニメーションで出迎え、同時に車内のシート、ミラー、エアコンディショナー等の準備を整える。

車内では、キャデラックの最高レベルのドライバーインフォメー ション、インフォテイメント、コネクティビティが統合され、よりシームレスで充実したエクスペリエンスが提供される。

対角33インチの最新型LEDディスプレイは、ドライバーの視野全体に広がる大きな一つの画面に、ドライバーインフォ メーションの詳細、インフォテイメントコントロール、カメラビューが巧みに統合されている。この新型ディスプレイは現在の自動車業界では最高の画素密度を誇り、他のどの車両よりも64倍も多い10億色以上が表示できる。

その他の技術的ハイライトは以下の通り。

  •  バッテリーおよび充電のモニタリングは、一目でわかるグラフィックで表示され、オーナーの好みに応じて自宅や外出先での車両のエネルギー需要を知ることができ、エネルギー消費量のモニタリングと予測の上で充電時期が提示される。
  •  新型デュアルプレーン拡張現実(AR)対応ヘッドアップディスプレイが採用され、車速や方向などを表示するニアプレーンと、透過型ナビゲーションシグナルやその他の重要な警告を表示するファープレーンの二つが表示される。
  • 自動車線変更機能を含むハンズフリー運転支援システムの最新版の「スーパークルーズ」を採用。
  •  リモートパーキングは、超音波センサーを使用してドライバーが車内/車外にいるかに関わらず、縦列駐車、車庫入れ駐車の操作を支援する。

なお、「リリック」の日本導入時期は未定となっている。

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