日産自動車、宮崎県都城市、九南、宮崎日産自動車、日産サティオ宮崎の5者は7月8日、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したことを発表した。
上記協定は、都城市が、『電気自動車(EV)の普及を通じて、地域の課題解決や環境負荷の低減に取り組むと共に、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、九南が社の営業車として所有している電気自動車(EV)「リーフ」と、日産の販売会社である宮崎日産とサティオ宮崎が所有する電気自動車(EV)「リーフ」の試乗車を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める』という内容となっている。
都城市は、環境対策のひとつとして、「第二次都城市地球温暖化対策実行計画」を掲げ、地球温暖化対策に積極的に取り組んでおり、上記計画では、2017年度から2022年度までの6ヶ年において、「エネルギー起源の二酸化炭素排出量を前年度比1.5%以上削減する」ことを掲げているほか、「エネルギー起源の二酸化炭素排出量を2030年度までに、2013年度比45%削減する」ことを目指す長期的な目標も示しているのに加え、上記取り組みの一環として、EVの普及促進による大気汚染物質と温室効果ガスの削減を推進している。今回の災害連携協定の締結を機に、今後は防災訓練でEVを避難所等での非常用電源として活用する仕組みを広く市民に周知するなど、防災意識と地域防災力の向上を目指すとしている。
また九南は、宮崎県都城市の地元の電力送電、配電会社として、「電気の持つ力を通して、人と暮らしの未来を創造する。」という「エレクトリック・コミュニケーション」たる企業理念のもと、人と電気の架け橋として、豊かな社会の実現に向けて取り組んでいる。
一方、日産は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車(EV)普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。
日産は、自社が推進する「ブルー・スイッチ活動」、都城市が地球温暖化対策として推進する「第二次地球温暖化対策実行計画」、九南の「電気を通じて豊かな人間社会の実現を目指す活動」、それぞれの取り組みにお互いが賛同し、今回の協定締結を行う運びとなったと述べている。
日産グループ、都城市、九南は、今回の協定締結を機に、今後も地球温暖対策を含む環境活動の推進や、EVを活用した持続可能なまちづくりを推進し、地域防災力向上、環境活動での連携を更に強化していくと述べている。
【電気自動車を活用した「災害連携協定」概要】
- 九南、日産および宮崎日産、サティオ宮崎は、都城市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、九南が所有する電気自動車(EV)「リーフ」と、日産販売会社の店舗に配備している電気自動車(EV)「リーフ」を無償で貸与する。
- 都城市、九南、日産、宮崎日産、サティオ宮崎の協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
- 都城市、九南、日産、宮崎日産、サティオ宮崎は、平常時も市の防災訓練などのイベントにおいて、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての災害時・停電時等の有効性や活用を市民へ積極的にアピールし、防災意識向上を目指す。