ジェイテクト、「モータライン1相故障時の駆動制御」が 愛知発明表彰で愛知発明賞を受賞

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ジェイテクトは、6月18日、「モータライン1相故障時の駆動制御」で令和2年度愛知発明表彰の「愛知発明賞」を受賞したことを発表した。

 

多くの自動車には「走る」「曲がる」「止まる」といった基本的な機能のうち、「曲がる」機能を運転するステアリング装置について、電動モータにて運転者の動作を補助する、電動パワーステアリング装置(以下、EPS)が搭載されており、運転者の意思を車両に伝える装置として、「より楽しく」、「より安全で」、「より快適に」自動車の舵を操ることが求められている。

 

また、上記EPSには操舵力のアシストにモータを活用しており、このモータには通常、三相ブラシレスDCモータ(以下、三相モータ)を使用し、三相モータの一相がオープン故障した場合、ハンドルを重く感じる位置と軽く感じる位置が発生するため、ハンドルの引っ掛かりと呼ばれるような、運転者の操舵感に影響を与える。これを避けるために、従来は三相モータの一相がオープン故障すると、直ちに三相モータでの補助を停止していたが、その場合、常に均一の力でハンドルを回転操作することができる一方で、常に大きな力でハンドルを回転操作する必要があった。ジェイテクトは、より快適な運転を保障するために、一相がオープン故障した際でも、ハンドルの引っ掛かりなく、運転者への三相モータによる補助を出来る限り継続することを可能にした技術を発明、その発明が今回受賞した「モータライン1相故障時の駆動制御」であると説明している。

 

 

具体的には、上記発明では、三相モータの一相がオープン故障した際、回転トルクを加えることができる位置では、正常時より大きなトルクで補助することで、回転トルクを加えることができない位置により大きな角速度で突入することができ、角速度がゼロになることなく、この位置を乗り越えることが可能となっている。もし、補助が不足していたために、前述の位置で角速度がゼロになってしまった場合には、反対の向きに回転トルクを加えることで、回転トルクを加えることができる位置に戻し、再び補助することで加速させ、前述の位置を乗り越える。上記の仕組みを導入した上で車両走行すると、三相モータの一相がオープン故障した際、ハンドルが若干振動するものの、引っ掛かりなく、操舵することが可能なほか、三相モータでの補助を停止した場合と比較しても、ハンドルは若干振動するものの、十分な力で補助できているので、運転者への負担は小さくなっていると述べている。

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