日立オートモティブシステムズ、令和2年度文部科学大臣表彰の「創意工夫功労者賞」を受賞

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日立オートモティブシステムズは、秋田工場の髙階 清悦(たかしな せいえつ)氏と髙橋 翔太(たかはし しょうた)氏が、科学技術の振興に寄与した者の功績を讃える令和2年度文部科学大臣表彰の「創意工夫功労者賞」を受賞したことを発表した。

 

創意工夫功労者賞とは、優れた創意工夫によって各職域における技術の改善向上に貢献した者を文部科学大臣が毎年度表彰するもので、今年度に受賞した日立オートモーティブシステムズ社員の地元である秋田県では、社員2名を含む6名が受賞し、表彰状伝達式が5月19日に秋田県庁にて執り行われた。

 

日立オートモティブシステムズは、今回、髙階氏が受賞した「酸化スケール自動除去装置の考案」について、秋田工場の製品であるパワーステアリングに組み込む油圧ポンプシャフトの製造工程で、熱処理により発生する酸化被膜(スケール)が品質上問題となるため、これを除去する方法に創意工夫をおこなったもので、考案した手法では、これまでの手作業による被膜除去に替えて、新たに作製した自動除去装置を加工ラインに接して設置することで、省人化とともに品質の向上と安定化を実現したと説明した。

 

また、髙橋氏が受賞した「切削工具の形状及び組合わせ考案による生産性改善」については、製造ラインの生産性向上の目標に対し、切削工具に視点を置いて創意工夫をおこなったもので、具体的には、部品加工において角部の削りと穴あけを同時に加工し、工程を1/2にするコンビネーションドリルの考案をはじめ、穴の内側にねじを刻むための工具にも刃具内部から研削油を放出する方法を取り入れるなどにより、工程所要時間の23%短縮と生産量の30%増加を実現したと説明している。

 

日立オートモティブシステムズは、自動車機器のグローバルサプライヤーとして、最先端の技術開発力と「世界No.1モノづくり力」をめざし、技術者、技能者の育成を継続・強化していくと述べている。

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