エンジンとモーターを持つ世界初の量産ハイブリッド車であるトヨタ・プリウスが1997年にデビューしたことをきっかけに、これまで各メーカーから環境負荷低減に貢献するエコカーが誕生した。国内においても、エコカーは一部税金が免除になったり、自治体や車種によっては購入時に補助金を給付することで、普及を推進してきた。そこで今回は、電気をエネルギー源としモーターを駆動して走行する「電気自動車(EV)」、コンセントから差込プラグを用いて直接バッテリーに充電できる「プラグインハイブリッド(PHVまたはPHEV)」から、国内で購入できるモデルを紹介しよう。
●電気自動車
EVは走行時に二酸化炭素や騒音を排出しないことから、水素を燃料とする燃料電池自動車(FCV)と並んで、現在量産されている自動車の中では環境負荷低減に大きく貢献するモデルだ。電気モーターは起動から最大トルクを発揮するため優れた加速性能を持つモデルが多い反面、バッテリー充電時間の長さや航続距離の短さでは課題を残す。今後は技術革新による課題の克服とともに、加速性能の特性を活かしたスポーティなモデルがより多く登場することにも期待をしたい。
■日産
・リーフ:最大可能航続距離322km〜458km(WLTCモード)
日産のEVモデルの象徴的な存在。2009年発売の初代から現在の2代目まで世界累計45万台を発売し、EVの中で最も売れたクルマだ。日産はリーフに加え、昨年の東京モーターショーでコンセプトモデルが発表された「アリア」の発売も予定しており、EVラインアップのさらなる拡充を進めていくことになりそうだ。
■三菱自動車
・i-MiEV:最大航続可能距離164km/ミニキャブミーブ:同100km〜150km(いずれもJC08モード)
軽自動車の「i」をベースに、2009年から発売された世界初の量産EV。ガソリンエンジンを搭載するベースのiは2015年に販売を終了したが、i-MiEVは生産・販売を継続、2018年の一部改良では全長が85 mm拡大となり、軽自動車から小型自動車扱いとなった。また、i-MiEVの技術を応用した商用軽自動車のミニキャブミーブもラインアップしている。
■ジャガー
・I-PACE:最大航続可能距離:438km(WLTCモード)
日本では2019年から発売が開始されたジャガー初のEV。1回の充電での航続可能距離は最大480kmとなり、ホイールベースはラージクラスセダンに匹敵する2990mmというボディサイズ。ジャガーのSUVであることを意味するPACEが冠されているが、短く低い位置に構えたボンネット、一般的なSUVより低い全高と長いホイールベースが独自のスタイルを創出している。
■テスラ
・MODEL S:最大航続可能距離:593km〜610km(WLTPモード)
・MODEL X:最大航続可能距離:487km〜507km(WLTPモード)
・MODEL 3:最大航続可能距離:409km〜560km(WLTPモード)
2003年にアメリカで設立された新興メーカーで、開発・生産する車種はEVのみ。2008年発売されたロードスターを皮切りに、現在は上記の3モデルが主力となっている。シンプルかつ物理的なボタンをほとんど配さないミニマルなインテリアや、空調に「生物兵器防衛モード(MODEL X)」を設定するなど、既存の概念にとらわれないクルマづくりでファンを獲得している。