プライベート空間としてのクルマニーズが高まる デルフィスがコロナ禍における『移動』『クルマ』に関する意識調査を実施

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トヨタ自動車100%出資の広告会社のデルフィスは、全国の18歳~69歳の男女(第一回:1,000名、第二回:600名)を対象に、 「コロナ禍における『移動』『クルマ』に関する意識調査」を実施し、その結果を公表した。

この調査は、政府の緊急事態宣言延長が発表された5月4日をはさむ、GW期間前半(4/28,29)とGW終了後(5/11,12)の2回に渡って実施。GW期間前後での外出自粛意識や、コロナ禍収束後に向けた生活意識を把握した上で、人々のクルマに対する意識が今後どう変化していくかについて考察している。

 

【主な調査結果】
(1)移動・クルマに対する意識変化
クルマが安全な移動手段と認識され購入意向が向上。都市部ではクルマ利用頻度も向上
・コロナ禍を機に「クルマを買いたくなった人」(18%)が「買うのを中止・延期した人」(11%)を上回る
・クルマは生活に必要な移動を安全に行うことができると認識されている(80%)
・特定警戒8都道府県、特に東京ではクルマ移動が増加(26%:全国比+10pt)

(2)生活意識の変化
コロナ収束後に向け、「前向きに頑張りたい」と思う人が7割を超える。
また、収束後にやりたいことの第一位は「気軽に外食に行きたい」(64%)と、外出への期待が高まる。
・まだ我慢の時期が続く中だが、「前向きに頑張りたい」気持ちのほうが強い人が多数(77%)

・コロナ禍収束後は、気軽に外食(64%)、国内旅行(62%)など、おでかけを増やしたい意向あり

(1)移動・クルマに対する意識変化

クルマが安全な移動手段と認識され購入意向が向上。都市部ではクルマ利用頻度も向上

コロナ禍の影響によって、クルマの購入意向に変化が見られた。クルマを購入する予定があったが、「購入を中止または延期した人」が11%存在。経済的に家計の見通しが立ちづらい中で高額消費をためらうのも頷ける結果となった。一方で、「クルマを購入したくなった人」が18%と、中止または延期した人と比べて+7pt多い結果となった。

このデータを見る限り、生活者意識のレベルでは、コロナ禍の影響でクルマ需要がプラスマイナスでプラスに転じていると言うこともできる。

クルマに対する認識の変化も見られ、調査では「クルマは生活に必要な移動を安全に行うことが出来る」が80%、「クルマは感染リスクを下げることができる」が77%と、クルマが感染リスク防止の観点で安全な移動手段として認識されている。クルマの購入ニーズの高まりの背景には、このようなクルマに対する安全価値の高まりがあることが推測される。

続いて、クルマを運転する頻度について、全国と比べて「特定警戒8都道府県」の増加傾向が高く、特に感染者が多い一都三県(埼玉・千葉・東京・神奈川)が26%、東京都単体でも26%と全体と比べて増加が顕著となった。

(2)生活意識の変化
コロナ収束後に向け、前向きな気分や外出への期待感が高まる

生活意識全般の変化では、今の気分について「前向きに頑張りたいか」「不安で後ろ向きか」どちらの傾向が強いかを10段階で聞いてみたところ、「前向きに頑張りたい」という気持ちを持つ人が、約4人に3人(77%)と、コロナ禍の厳しい環境においても、多くの人がポジティブな意識を持っていることがわかった。

今後どのように暮らしたいかという質問に対しては、全ての性年代で「当たり前の日常を大切にしたい」と、ほとんどの人が感じていることが分かった。また、世代別で見ると、男女10-20代を中心に「新しいもの・サービスを取り入れて良い生活に改善したい」「新しいコトをはじめてみたい」という意識が高く、コロナ禍収束後を見据えた行動意欲や積極性が見られた。

コロナ禍収束後にやりたいことを聞くと「気軽に外食を楽しみたい」の64%をはじめ、「国内旅行・温泉に行きたい」62%、「ドライブ・レジャーを楽しみたい」42%など、おでかけを増やしたいニーズが高かった。また、クルマに対する意識として「気分転換にクルマでドライブしたい」人が61%存在しており、クルマは安全面だけでなく、リフレッシュの面でもニーズが高いと言える。

GW期間を通じて家族の絆が高まるも、一方で一人の時間も大事にしたいという声も

GW期間の過ごし方について、2回の調査を通じて「GW前の予定」と「GW後に確認した実態」の双方を調査。結果、ほぼその差は見られず高い意識を持って巣ごもりをした人が多くを占めていた。具体的には「自宅滞在、買い物や散歩のみ」が63%、[家の中で楽しめることを考えて滞在」が37%、「全く外出せず」が25%という数字であった。(複数回答あり)

今後どのように暮らしたいかという質問に対して、 「家族や身近な人々との絆を大切にしたい」と考える人が全体で83%と多い一方で、「一人の時間を大切にしたい」(75%)「日常のストレスを忘れたり、非日常的な気持ちになれる時間を作っていきたい」 (77%)などと考える人も高い数字となった。

 非常事態宣言をうけてこの数ヶ月、住居内での生活時間が著しく増加し、各方面でその影響について議論がされています。歴史的にみても、「外出」「移動」の価値が高まった特異な期間だったと言える。

今後も3密を避けた移動が推奨される中で、クルマが元来持っている「一人や大切な家族と過ごせる『プライベート空間』」という価値がより一層求められるようになり、 クルマを利用している人の中には、大切な人と安心して自由に移動できる 「空間」があることの喜びを感じている人も多いはずである。ここ数年で「所有から利用」に移り変わってきたクルマに対する価値観に、新たな変化の兆しが生まれてきたと考えられる。

世の中の閉塞感が徐々に和らいでいく局面においては、「自分らしい生活を再開したい」 「新しいことにチャレンジしたい」など様々な希望を抱く人たちにとって、 クルマが「プライベート性を保った移動手段」として力強い味方になり得ると考えられる。また、電車やバスなどの公共交通機関に、クルマ移動を組み合わせることで、ソーシャルディスタンスに配慮した新たな社会のあり方に貢献でき、「屋外でのプライベート空間の確保」と「『新しい日常』に向けた人々の活動」を軸に考えると、「新しい日常」を前向きに捉え、プライベート空間としてのクルマをうまく使いながら安全に自分の時間を楽しむ人々が今後はさらに増加するものと推察すると結んでいる。

 

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