豊田自動織機は、国際連合の世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization 以下、WIPO)により運営され、環境関連技術のグローバルな普及・活用を促進する「WIPO GREEN(ワイポ・グリーン)」にパートナーとして参画し、208件の特許を開放すると発表した。
「WIPO GREEN」は、参画団体が登録した環境関連技術(特許・商品・ノウハウ等)のデータベースを元に、環境関連技術の保有者とその技術を必要とする使用者をマッチングさせ、技術の活用を促進しており、現在、データベースには3,600件以上の技術が登録され、2013年の運営開始以降、600件以上のマッチングが成立しているという。
豊田自動織機は、「住みよい地球と豊かな生活、そして温かい社会づくりに貢献」することを2030年ビジョンに掲げており、事業活動を通じた環境保全への貢献を、経営における重要課題の一つと考えて、「WIPO GREEN」にパートナーとして参画することにより、保有する特許をグローバルに活用してもらい、環境負荷の低減に役立つことを目指すと述べている。
【登録した3つのカテゴリに関する特許208件】
1. PG(Plastic Glazing;樹脂ウインドウ)89件
ガラスに代わる軽量素材で、質量は約1/2。ガラス同等の美しい表面品質と高い耐久性を備えているほか、一般的に難しいと言われる大型成形に成功し、自動車のルーフに採用されている。
2. CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic;炭素繊維強化プラスチック)84件
鉄やアルミに代わる軽量素材で、質量は鉄の約1/5。独自開発の3次元織機で織る炭素繊維織物に樹脂を含浸するもので、高い耐久性を実現。自動車のクラッシュボックスに採用されている。
3. 太陽熱集熱管 35件
太陽光を反射鏡で集光し、高温の熱を取り出す集光型太陽熱発電システムの基幹部材。太陽光を効率よく吸収する選択吸収膜により、400℃以上の熱エネルギーの取得を実現している。